読売新聞2010年2月4日付「編集手帳」を読んで驚いた!

 掲載内容は、◆日本相撲協会の理事選で一門の意思に反する候補に票を投じた安治川親方(元幕内・光法)に、退職する、しないの騒動が起きた。おのが自由意思を一票に託したことで職が危うくなる、そんな恐怖国家のような選挙がこの広い世の中のどこにある。(読売新聞一部転載)

 ところが皆さん、「恐怖国家」のような企業があるのです。乳業界トップ企業の明治乳業は、40年以上も前から労働組合役員選挙への支配介入を行い、「会社の意に沿う候補者」に投票するのか、「会社の意に沿わない候補者」に投票するのかを基準に、会社の秘密会議で労働者を3種類に分類して管理していたのです。(職制連絡会議)
 ・赤組−「会社の意に沿わない者(×印)」、・白組−「会社の意に沿う者(○印)」、・雑草組−「どちらにも属せない者(△印)」に分類し、昇給・昇格や仕事差別で脅しながら、「雑草組」、「赤組」から「白組」への転向を迫り、信用できない労働者らには候補者名の書き順を強制する「アンチョコ」用紙を渡すなどで投票を強要し、会社の意に沿う労働組合への変質・転覆を、全国各地の工場で図ってきたのです。(投票指示メモ)
 明治乳業は、昇給・昇格差別で脅しながら、「おのが自由意思で一票を投じる」ことを禁じ、企業への忠誠心を求める汚い手法を公然と行い、これらの攻撃に反対して従わない労働者らには、1960年代から長期に賃金・昇格差別や仕事差別を続けてきたのです。
(明乳版ワーキングプアーの実態)
 明治乳業争議団の闘いは、「恐怖国家」に通じるような明治乳業の専制的労働者管理を告発し、当たり前に人権が尊重される企業体質の回復を求める闘いであり、これは、不祥事や不正行為が止まない、「儲かればよし、外にバレなければ何でもあり」の体質を改めさせ、食の「安全・安心」を守るためにも大切な闘いとなっているのです。
 市川工場事件(千葉県、32名)への東京高裁判決は、申立人らの集団性を認め、無視できない「有意な格差」の存在も明確に認定。さらに、明治乳業が行ってきた労働組合活動への介入の事実にも言及したのですが、一言でいうと「申立て時期が遅かった」ことを理由に、この「恐怖国家」のような企業内での差別・人権侵害の事実を免罪してしまったのです。 
 明治乳業経営陣は、「格差(差別)はあった」と司法によって明確に判断されているのに、「控訴棄却」の結論だけを盾に、不当労働行為と差別の「やり得」を決め込み、一切の要請にも対応せず、社会的・道義的責任すら果たそうとしていないのです。
私達争議団は、現在、東京都労働委員会で闘っている「全国9事業所32名」の事件と、司法判断として確定した東京高裁判決の事実認定「有意な格差の存在」にもとづき、「残存している差別未払い賃金」の精算を、明治乳業と親会社・明治HDに迫っています。
 皆さんのご支援とご意見をお寄せ下さい。


職制連絡会議


投票指示メモ


ワーキングプア

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