8月活動レポート
(9月22日)


1,役員宅 訪問 8月20日
  継続している役員宅訪問を8月20日実施しました。
 株式会社明治・松田克也社長宅では奥様が門扉まで出ていただいて、「申入書」を手渡すことが出来ました。社長に、本社要請時に真摯に受け答えをしていただければ訪問をすることもないのです。是非、伝えて置いて下さいとお願いしてきました。
 明治HD・川村和夫社長宅では、相変わらずインターフォンにも出ない状態が今回も続きました。マンション (2棟・居住棟)にチラシをポスティング。
 株式会社明治・中山悠名誉顧問宅では、今回も奥様が門扉まで出てこられてお話をすることが出来ました。中山家の系図など話してくれました。
 株式会社明治・浅野茂太郎名誉顧問宅では、インターフォンに奥さんが出られて、私には解らないことなのでポストに入れて置いて下さいと応答がありました。
 以下、「申入書」を紹介します。


2022年 8月20日
株式会社 明治
代表取締役 社長 松田 克也 殿

神奈川県労働組合連合会
議 長  角谷 和典
明治乳業争議支援共闘会議
議 長  松本  悟
明治乳業賃金昇格差別撤廃争議団
団 長  小関  守


申 入 書
「格差の存在」と「不当労働行為意思」の認定を、事件審査の到達点として重く受けとめるべきです

 明治乳業は、昭和30年代後半から市乳工場新設や設備増強を行い、従業員数も3500人程度(昭和36年)から6500人規模(昭和39年)と短期間に倍化し、多くの申立人らもこの時期に各地の市乳工場に採用されますが、労働条件は極めて劣悪でした。そして、労働条件の改善を求める労働組合活動が全国の市乳工場で高揚しますが、会社は「生産合同委員会答申書(昭和40年3月)」を提起し、8000人生産体制を6000人規模に削減する過酷な目標人員を設定。
同時に、三交替制を導入し生産効率を一気に引き上げる施策を強めました。会社が高揚する組合活動の弱体化に向けて強行したのは、主要市乳工場に結成した「インフォーマル組織」を隠れミノに、職制機構総動員で申立人ら集団に「赤組」の烙印を捺し、「生産阻害者」「赤虫・赤ダニ・ゴキブリ」など等、人権否定の限りを尽くす攻撃と昇給昇格差別を長期に行ってきたことです。
 中労委命令が「付言」として明記した「格差の存在」と「不当労働行為」の認定を、事件審査の到達点と受けとめるべきであり、会社として差別の「やり得」を決め込む姿勢は許されません。

会社の意に反して申立人ら集団「赤組」に属しただけで、こんな理不尽な差別は絶対に許されない
 全国事件申立人らの同期同学歴中位者との年収格差は、平成6年度(申立年度)で106万円ですが拡大しながら累積し、平成10年度では123万(賃金月額5〜6ヶ月)と広がり10年間で1000万円を超える深刻な格差です。同様に市川工場事件では、平成6年度で76万8千円ですが平成9年では98万3千円余(賃金月額3〜3.5ヶ月)と拡大する等、家庭生活を脅かす極めて非人間的な差別であり、さらに定年退職後も年金格差として継続する生涯賃金差別なのです。
 同期・同学歴で入社し、同じ市乳工場の生産ラインで同等の仕事内容を交代勤務で働く労働者集団が、会社の労働組合弱体化を狙う攻撃によって分断され、会社の支配介入に反対して活動する申立人ら集団「赤組」に属したことだけで、こんな理不尽な差別が許されてよいのでしょうか。

昭和41年、主要工場に「インフォーマル組織」が一気に結成できたのは本社の深い関与の結果です
 先月の要請書で、「インフォーマル組織」結成が昭和41年に集中した事実を伝えました。これに本社が深く関与していたことを鮮明にするのが、大阪工場の秘密会議録音テープ(甲第13号証)です。インフォーマル第T号を結成した戸田橋工場の製造課長が大阪工場に出向き、結成のノウハウを伝授した秘密会議で、司会者が「本社および戸田橋からいらしていただいて絶大なるご協力ありがとうございました」等とまとめ、その1ヵ月後に「至宝会」が結成されているのです。
 松田社長、明治乳業が労働組合に介入した事実は、労働委員会や司法判断の誤りで免罪されても「負の遺産」として残ります。私たちは、現経営陣の責任による全面解決を強く求めています。

以上


2,第68次座り込み行動 8月23日

 継続中の坐り込みをサマータイム午後4時から5時の時間帯で実施しました。
 主催者松本議長の急用から事務局長の久保さんから挨拶をいただきました。


 主催者挨拶・支援共闘会議 久保事務局長

 私たちは、明乳争議を支援するものです。この争議は、賃金差別を闘い37年という長い争議となっています。原告64人中20人がすでに他界、人道的にも早期の解決が望まれています

 皆さんは、安心して働いていますでしょうか。コロナ禍で働き方が大きく変わりました。シフトに入れず働く時間が短くなった、仕事がなくなったと聞きます。仕事が減らされれば収入も減ります。この物価高で大変な生活を強いられています。また、テレワークがふえて、ノルマが増えた 労働時間管理が出来ずに大変だと聞きます。環境も整わず、環境整備は自腹、その上、際限のない労働に追いやられている状況があります。

 皆さん、こんな時だからこそ労働組合が必要です。こんな時に要求を掲げて声を挙げられるのが労働組合です。働く環境を守るために、是非、労働組合に入って下さい。

 この明乳争議は1960代1970代に大変過酷な労働を強いられた労働者が声を挙げ、職場の安全を守れと声を挙げた労働者を差別した事件です。7〜8畳の部屋に4人も詰め込み、朝夜なく長時間労働を強いられました。交代制労働で不規則、冷蔵庫で寒い重労働です。仲間が次々に病に倒れたと言います。

 安心して働ける職場をめざして、声を挙げ会社に要求を突き付けたのが今闘っている争議団の皆さんです。声を挙げる労働者に対して、会社は白組、赤組、雑草組と分けて、赤組に対して徹底した賃金・昇格等の差別を行いました。年間で100万円、10年間では1000万円にものぼります。

 労働委員会の付言や裁判の闘いの中で、「差別はあった」と言われています。「話し合いをしなさい」ともいわれています。会社は、一刻も早くこの争議を解決するために話し合いの場をつくる事。要請に応えることを要求します。雪乳など他企業でも会社が社会的責任を果たし争議解決を決断して解決をしています。
 明治は、それが出来ないのです

 女性の管理職がいない、女性の声を聴かない会社は働きやすい職場ではありません
 世界経済フォーラムが発表している男女平等指数は146ヵ国中116位です。その中で低いのが「経済の分野」です。管理職における男女平等は130位と本当に低くなっています。女性の声を聴かない企業は、外国では相手にされません。女性の声を聴かない会社は働きやすい職場ではありません。
 この体質を改善して、社会的な責任をしっかり果たして、争議解決に踏み出して頂きたいと思います。そちらで聞いている明治の方も是非、会社に解決をと伝えて下さい。争議を一日も早く解決しましょう。宜しくお願いします。


食品一般ユニオン・佐藤書記長

 明治乳業は1970年代から一貫して労働者の分断支配をおこなってきました。
 それは日本の労働者の低賃金の環境でもあります。労働者を分断して支配するこれが日本の資本のやり方です。先進資本主義国といわれながら下位に低迷しているOECDと比較しても決して高い賃金ではありません。これは資本による労働者分断支配が環境であります。この環境をつくっているのが明治乳業で、それを改めようとしないのがこの長期に及ぶ争議になっているのです。

 雇用によって生活水準が変わってくる。仕事があっても人が集まらない。これがワーキングパワーや人手不足の原因です。資本が適正な賃金を払えば、いくらでも雇用は拡大する。そうゆうふうに考えます。特にいま、介護労働の分野においても人が集まらない。劣悪な職場環境になっている。その様な中で利用者も安心して利用できない環境になっています。その環境をつくっているのが資本による労働者の分断支配、正規雇用、非正規雇用として労働者を分断してきたのが原因です。

 先日も大阪の工場のほうからも問い合わせがありました。このような声が集まり大きくなれば更に企業に対しての圧力になると思います。更に株主総会では、総会に向けた内部告発の文書も届いています。明治は、いま疲弊しています。かろうじて過去の資産で経営を維持しているものと思われます。労働相談等がございましたら私たちのところにご相談をお寄せ下さい。


食品一般関連労働組合(食品一般ユニオン)北川順子さん

 ご通行中の皆さん、坐り込みの皆さん暑い中本当にご苦労さまです。歌で明治乳業争議団を励ましていきたいと思い歌をつくりました。 この闘いは半世紀♪♪ ?
その闘いは半世紀、誇り高く続いてきた
  働くものの、命と権利、守る為に  勝利めざして〜
その闘いは半世紀、怒り悲しみ、見つけてきた
  道半ばで逝った友の悔しさ胸に  燃やし続けて〜
その闘いは半世紀、人生かけて歩んできた
  仲間と共に憲法生かす職場めざして  理想、掲げて〜
その闘いは半世紀、これからも語り継がれる
  ※人間の歴史、前進させる、勇気ある人々がいる限り〜
  ※繰り返し


東京争議団共闘会議・諏訪幸雄事務局長

 いま32名の仲間が立ち上がって、KLMオランダ航空相手に無期変換雇止め撤回を求めて東京地裁でたたかっております。そうした闘いによってこの日本を雇用の安定、安心して働ける社会に繋がっていくものと思っています。

 私は日本航空で働いていました。この日本航空も1970年代明治と同じ頃に労働組合支配の労務姿勢をとって、徹底的な差別をおこないました。その結果日本航空は1970年代、5年おきに飛行機事故を起こしました。結果として1985年も御巣鷹山事故123便事故で500人を超える犠牲者が出ましたけれども、70年代から85年までで700名を超える乗客、乗員が亡くなりました。大変な犠牲者が出ました。明治も食の安全性の面では航空会社と同じように社会的な使命を負っているものと思います。労働組合を敵視するということは、会社に対してものを言う労働者がいなくなるということなのです。結果として日本航空でも危ないということがわかっていても声を上げられない。結果として危険な状態で運航して事故を起こす。

 明治でも最近に牛乳異臭事故を起こしましたけれども、その結末を聞いて驚きました。
 少なくとも航空業界では、異臭の原因がわからないという形で終わらせることはありません。徹底的に精査して対策防止策をとる。そうしなければ消費者に対する食の安全を提供する責任を果たしているとはとても思えませんでした。それが許されている、それが今の明治の経営陣の実態だと思います。労働組合を変えるといって出世して経営者になる。こういった人たちが経営を握っている状況では、今の明治の企業体質を変えていくことは出来ないと思います。

 その改善には、この争議を解決することだと思います。
 これまでやってきたことをきちんと精算する。その結果、将来に向けて会社をきちんと正常な運営を保障することに繋がっていくものと思います。
 そして、37年にわたる争議、差別、もの言う労働者を敵視する経営体質を改めることが、消費者に安全を提供できる企業に発展していくものと思います。

 私はいま、明治の製品は買わない不買運動に協力しています。買い物にいって選ぶときに明治の表示のあるものは買いません。年間にすると結構な金額になります。これが、一人一人に積み重なれば相当インパクトがあるわけです。この争議を解決したいと思っている人が沢山います。是非、明治の経営者はこういったことを終わりにしたいと決断をしてほしいと思います。


東京国際福祉専門学校教職員組合・浜田委員長

 私たちの学校も組合を結成したら、組合を嫌悪し組合差別に基づいた各種のハラスメント、嫌がらせ、あげくの果てに解雇といった問題と今裁判でたたかっています。
 私たちは学校教育、学生にとって豊かな教育を保障するためには教職員が大切にされなければいけない。安心して安定的に働ける職場でなければ一人一人の力を発揮しチームワークの力を発揮することは出来ない。

 明乳のような従業員に対して、非人道的な行為を行う企業のつくる製品は、私は一切信用することが出来ません。私は明治の製品はこれまで好んで食べていましたけれども、キノコの山やタケノコの山も好きですが今は一切食べません。
 一刻も早くこの問題を解決し、信用できる企業になっていただきたいと思っています。それまで私は明治の製品は一切買わない。その様なことで示していきたいし明乳の正義のたたかいにも連帯し、私たちのたたかい共々たたかって行きたいと思っています。


参加者へのお礼と決意・松下副団長

 未審査で眠っていた39事件が起き上がりました
 一つは、この間6回に及ぶ調査が行われ、残る39事件をどのように審査するのかをめぐってエネルギーをさいてきた。
 結果、6月の調査で都労委公益委員は「市川工場事件と全国事件、それぞれを独自に併合審査としたい」「両事件を合せた併合については、今後、検討していく」としました。併合審査は、私ども当初より求めていたもので、この方法こそ事件の全容、差別の実態が鮮明になるもので審査の期間そのものも大きく短縮されると思っています。
 二つ目は、審査の争点は何か、主張するべき点は、差別・不当労働行為の実態はどうであったのかなど、全面的に網羅した準備書面、7分冊に分けて出し切る仕事に力を注いできました。

 明治が、半世紀にわたって行った事実は、消し去ることはできません。この事件はある意味で人権闘争です。人が人たることを取り戻す闘いです。明治が、この半世紀行ってきた人権否定は、この事件だけではない。労働争議でも10数件、途切れることなく続いてきています。

 戸田橋工場の1人の労働者が、過酷な残業が続く職場で耐えきれず、命令されるべき問題では無い。勤務命令簿、または残業命令簿ともいわれる、これを消却して解雇されました。この事件「残業は個人の意思によって成立する」、命令するものではないと「解雇無効」の、画期的勝利を勝ち取りました。

 福岡工場、構内で仕事以外のチラシを、会社の許可なく昼休みに配布したことで処分を受けました。この事件は会社が最高裁まで上訴して抵抗、最高裁が「職場秩序を乱す恐れはなかった」として処分無効、明治を断罪しました。

 大阪工場、女性労働者が11年間狭い部屋に隔離される事件がありました。これは国会でも取り上げられ解決し、職場復帰を勝ち取りました。

 提出した準備書面でも明らかに、明治が一貫して労働組合活動をする者を忌み嫌い、労働者を、「赤組」と「白組」に分断し、どちらに属するのかを「踏み絵」にして、徹底した差別を長年にわたって行った事実です。
 赤組に属する者を、「生産阻害者」などとののしり、その生産阻害者は人事考課以前の問題として、昇給・昇格ルートから除外する制度と仕組みができていたことを、全面的に解明しています。

 明治経営陣の中にも、経営不振、株価下落の元凶、川村体制支配に対する批判が、ふつふつと出ています。 傲慢を極める態度は、社内から「精神障害」ではという声も出ていると告発文にあります。
 明治よ、その硬直した頭脳を解きほぐせ。中労委命令「付言」が云う「互譲の合意」こそが、労働争議解決の原点であり、原則です。 明治には、大局的見地、態度に立つことを、強く求めるものです。


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