5月活動レポート
(6月21日)


1,5.27全労連・東京地評争議支援総行動終日展開

 株式会社 明治社前(京橋エドグラン)行動も朝からの荒天・雨の中115名参加いただき、松田克也社長に対し長期争議解決求め展開されました。
 下記スローガンを掲げ、社前と合わせ裁判所、労働委員会に対しても公正判断を求めて要請を行いました。
・すべての争議の早期全面解決を!
・裁判所・労働委員会は公正な判断をおこなえ!
・新型コロナによる解雇・被害を補償しろ!
・憲法を職場とくらしに活かそう!

主催者挨拶
全労連・黒澤 幸一 事務局長

 全労連・東京地評、今日総行動ということでこの雨の中ではありますけれども皆さん集まっていただきありがとうございます。様々な争議の全面解決をめざして声を上げて立ち上がってがんばっております。残念ながらこの大雨もたたかいの激しさを表しているものだと思います。是非この悪条件ではありますががんばって全面解決めざしていきたいと思います。
 さて、この明治の争議についても本当に長くなりました。36年にもわたるたたかいが続いている。元々は労働条件の改善する為に労働組合をつくって様々な差別や社会的問題が続けられてきた。その様な中で、私達は声を上げて続けられてきているということであります。
 私達労働者には労働条件を最高に築く精神を持っています。憲法にも労働基準法の中でも労使対等で決定をする労使対等権というものを持っています。職場における様々な問題、職場環境をよくしていく問題、セクハラやハラスメントをなくしていく問題、こうしたことを私達は労働組合という形で労使が対等な立場に立ってものを決めていく、こういうルールを作ってきたと思います。
 しかしいま、この明治の中で行われているのは、こうした労使対等な決定、あるいは我々が持っている団体交渉などに明治の会社はまともに受けない、こういう実態を続けています。直ちに交渉テーブルに着いて全面解決をするそのことを求めて行きたいと思います。
 いまコロナの問題で大変な雇用状況にあります。取り分け女性が非正規労働者に大きな痛みを押しつけられる。この日本の中でも100万人の方が非正規労働者女性で仕事を失っているデーターがあります。これもしっかり労働者の権利を守っていかなければ一人一人を救うことはできません。そしてみんなで声を上げることで雇用を守っていくそのことをやっていかねばならない。私たち正に今日こうした取り組み、行動で声を上げていくことそのことが解決を生み出すことと思います。皆さんと一緒に声を上げていくことを呼びかけさせていただき挨拶とします。

連帯挨拶
千葉労連顧問・明治乳業争議支援共闘会議・松本 悟 議長

○ 明治乳業争議の解決を求める社前集会にご参加のみなさん、ありがとうございます。また、エドグラン前ご通行中のみなさん、明治HDと株式会社明治の社員のみなさん、話を聞いて下さい。
○ 私たちがここにきた目的は、明治乳業の社員64人が訴えている明治乳業賃金差別争議を話し合いで解決していただきたいと言うことです。
○ 明治乳業争議の審判は下っています。中央労働委員会は、会社の卑劣な行為や誹謗中傷は非難を免れ得ない。職分・賃金格差は紛れもない事実と断罪し、殊に会社に対し話し合い解決を求めています。ですから、ボールは会社に投げてありますが、そのボールが私たちのところに届いていません。明治は、いっさいの話し合いを不当にも拒否していますから、これから都労委で審問を始めます。
○ 労働争議を解決しない企業は、疲弊するとのジンクスどおりの展開です。三点申し上げます。
 一つは、明治HDが5月12日に決算発表を予定していましたが、当日、突如発表を延期しました。売上水増しの不正経理が発覚したからです。
 二つ目は、睡眠薬入り水虫薬販売死亡事件は、製造企業である小林化工にすべての責任があると、明治は逃げていました。ところが、厚労省は、私たちの要請を受け、明治らに対して業務改善命令を不正経理発覚後、ただちに発表しました。
 三つめは、明治大阪工場の採用面接で、女性に対し、ウェストを聞くなど、セクハラ行為をした。このことに対し、ハローワークは、行政指導をしました。まさに、天下のブラック企業です。
○ 明治乳業と明治製菓は、09年に経営統合をしました。目的は、相乗効果の発揮と海外展開です。ところが、売上は1.2兆円から1.1兆円に減少しました。明治の海外売上高比率は5%程度で低迷しています。当然、株価は2016年に1万円越えをしていたものが、今では6000円台に低迷しています。この事態に株主も怒っています。川村社長のかじ取りの責任が問われています。
○ なぜ、明治は、不祥事多発、業績低迷なのか。それは、人権侵害、賃金差別争議を日立や東芝のように話し合いで解決しないからです。人権侵害、賃金差別をする企業は世界に通用しません。
○ なぜ、大企業の中で明治HDだけが問題を起こすのか。それは、この会社は、中山悠名誉顧問が院政を敷いているからです。その中山悠氏が明治乳業社長時代にその秘書をやり、中山悠社長と同様に労組の委員長を経歴して社長に栄転したのが現在の川村和夫社長です。いまどき、院政を敷き、御用組合の労組委員長が社長になる企業は、明治HDだけです。
○ 社員のみなさん、消費者のみなさん、私たちは明治の発展を願っています。そのためには、明治が社員の人権を守る、食の安全を守るまっとうな企業になることです。
 私たちは訴えます。まっとうな企業になって、明治乳業争議を話し合いで解決するまで、明治の製品は食べない、飲まない、不買運動へのご協力をお願いします。この不買はボイコットさんが提唱した消費者の正当な権利です。
 最後に訴えます。コロナのもとで、一人も取り残さない社会が求められています。明治乳業は、社員を赤組、白組、雑草組に仕分けし、赤組には徹底して、人権侵害や差別を強行しました。大阪工場の故・糸賀久さんは、高卒後、明治乳業に入社し、一回も昇格せず、40年後の退職時の基本給は15万円台で退職しました。
 一人も取り残さない社会をつくるため、市民と野党が力を合わせて、野党連合政権をつくることです。そして、政治を変えて、くらしと平和と民主主義をご一緒に守ろうではありませんか、このことを最後にお願いしまして、訴えとさせていただきます。ありがとうございました。

連帯挨拶
埼労連・新島 善弘 議長

 足元の悪い中、ご参加、ご苦労様です。
長きにわたり、争議に関わっている原告団そして弁護団のみなさまに心から敬意を表するとともに、連帯と激励のご挨拶をさせていただきます。埼玉県労働組合連合会、埼労連議長の新島です。
いま、コロナ禍で、10万人をこえる労働者がコロナを理由に解雇され、1300社以上が倒産しています。仕事がなくなって給料が支払われない、急に解雇されたなど、悲痛な叫びが聞こえてきます。
古い話になりますが、1995年、日経連の発出した「新時代の『日本的経営』」などにもとづき、人件費の抑制、たたかう労働組合の排除など、様々な方法で、労働者の差別と分断政策を行われてきました。様々な争議がたたかわれていく中で、1989年以降、たたかう労働組合の存在がますます明確になってきました。
 昨年、経団連は、「。新成長戦略」の中で、資本主義の下で格差と貧困は広がると指摘し、資本主義がさらに持続可能になるためにどうしたらよいかを提言しています。そのもとで、労働者は利潤追求ために多忙化し、成果主義・管理主義の中で差別分断され、連帯・団結することから遠ざけられています。このまま貧困と格差を拡大させる新自由主義を継続させるか、いのちと暮らしを最優先にした未来社会の実現をめざすのか、大きな分岐点に差し掛かっています。
 このコロナ禍において、医療崩壊をはじめ、新自由主義政策の下で切り捨てられていった医療、福祉、教育など、エッセンシャルな分野が大幅に弱体化していることに国民は気づき始めています。すなわち、高度に発達した資本主義、新自由主義の矛盾が、コロナ禍であぶりだされているのではないでしょうか。
 多忙化、競争、成果などで、仲間同士、何となく、人と人とのつながりが希薄になり、接点をなるべくもたないような雰囲気が漂います。でも、人間というものは、もともと、互いに人を求めていくものではないでしょうか。おたがいに関心をもち、お互いに声を掛け合っていく、このコロナ禍においてこそ、その大切さが虚実にあらわされているのではないでしょうか。
 争議を通じて、人と人との団結は深まっていきます。主権者たる労働者をふみにじり、企業の論理での労働者への不当な扱いに対して、きちんと抗議し、訴え続けていくことが、いまだからこそ大切なのではないでしょうか。明乳争議をはじめとして、人間の尊厳をかけた、主権をまもりきるたたかいであると感じています。
みなさんとともに、奮闘していくことを決意し、あいさつとさせていただきます。いっしょに頑張りましょう。

争議団決意表明
小関 守 団長

 行動参加の皆さん、本当に悪天候のなか明治の社前にお集まりいただき争議団代表しまして心からお礼申しあげます。
 さて皆さん、私たちが長い間明治乳業に働きながら労働組合活動で大事にしていたのは、自分たちが作る製品に誇りを持つ、そうゆう仕事を守るために職場でのチェック機能を発揮することでした。もう一つは、当たり前のことですが働く者の生活や権利を守ることが労働組合、そういうことでした。
 しかし、そういう労働組合活動を忌み嫌った明治乳業は、労働者を「赤組」、「白組」、そして「雑草組」という枠組みで分断して、赤組のレッテルを貼った労働者には、「生産阻害者」とか「職場秩序破壊者」という烙印を押して昇給昇格など、人事制度の本来の運用ではあり得ない差別をおこなってきた。ある労働者は、新入社員と同じ最下位の職分のまま定年退職を迎えた。あるいは多くの申立人らは、新入社員が6年程度で昇格する、下から2番目の職分のまま定年を迎えている。そういう時代であった。このような差別と人権否定を行いながら労働組合を会社の意のままになるように変えた後、生産現場がどうなったかということです。職制らの監視体制が強まる差別が横行する異常な事態であります。私たちはこの異常な会社を変えるために、運動を、歯を食いしばってがんばってきました。
 その結果どうなったのか、消費者の信頼を裏切る不祥事が後を絶たない、そういう企業に今なっているのです。
先ほど松本議長が厳しく告発していましたが、果たして皆さん、今回の厚生労働省の明治製菓ファルマに対する行政指導、業務改善命令の中身というものは、責任を求める書類、添付資料、これらの信頼性に責任を持つ事が大事とこれらが業務改善命令、今まで人間の命に関わる医薬会社でありながら、極めて無責任な製造販売をしていたことが明らかになったことであります。しかし、私が許さないのはこのように国民の命に深く関わる医薬業、重大な事故に関わる当事者企業でありながら、すでに半年以上過ぎています。未だかつて、当該企業の明治製菓ファルマからも、あるいは、親会社である明治HDからことの経過や謝罪の会見一つないのが実態であります。許せない実態であります。
このような背景にあるのは、労働者管理の昇給や昇格差別、これを何度も続けることによってであります。私たちはこの異常企業体質を乗り越えるためには、明治グループはこの長期争議を解決することが、健全な企業体質に立ち戻るどうしても避けて通れない道筋だと確信を持っています。
 私たちのたたかい、今都労委で新しい運動が始まっています。私たちの事件、まだ東京都労働委員会に39件の事件が残っています。この39件の事件審査の開始に向けて第一回調査が4月に始まった段階にあります。同時に都労委に強く求めているのは、明治乳業争議の到達点というのは2017年1月に出た中央労働委員会の命令と付言を含む事実認定なのであります。もちろん中労委命令は判断の枠組みに重大な問題が含まれています。私たちはそれを許せないたたかいを進めていますが、しかし、不当労働行為事件としての事実認定は新しい到達点を作った。
 私たちは、都労委にこの中労委命令の事実認定の到達点にもとづいて、迅速に進めてほしい、こういう立場で要求しています。同時に会社に対しては云うまでもなく中労委命令が示した解決への道筋に基づいて直ちに話し合いに応じろ、こういう要求を掲げてたたかいます。そういう決意を申しあげまして、悪天候のなかお集まりいただきましたお一人お一人のお礼とさせていただきます。


【株式会社 明治への要請書】

2021年5月27日

株式会社 明治
代表取締役社長 松田 克也 殿

5・27争議支援総行動実行委員会
全国労働組合総連合(全労連)
議 長  小畑 雅子
東京地方労働組合評議会(東京地評)
議 長  荻原 淳
明治乳業争議支援共闘会議
  議 長  松本 悟
明治乳業賃金昇格差別撤廃争議団
団 長  小関 守


要 請 書

 私たちは、労働組合の全国組織・ナショナルセンターである全労連(18単産・47地方組織・100万人が参加)であり、首都東京のローカルセンターである東京地評(33単産・40地域組織・36万人が参加)です。わたしたちは、不当な解雇の撤回、労働者いじめの根絶、労働組合に対する不当労働行為の一掃をめざして、全力でとりくんでいます。
 私たちは、利益至上主義・株主偏重の経営体質を改め、労働者と国民、地域と環境を大切にする企業経営を求めています。私たちは、すべての企業が、日本国憲法と労働基準法や労働組合法などの労働諸法を守るとともに、社会的規範や企業倫理・モラルを守り、コンプライアンス(法令遵守義務)を強化し、その社会的責任(CSR)を果たすよう強く求めています。
 本日の「5・27全労連・東京地評争議支援総行動」には、全国から23の労働組合や争議団が参加し、「@すべての争議の早期全面解決を!A裁判所・労働委員会は公正な判断をおこなえ!B新型コロナによる解雇・被害を補償しろ!C憲法を職場とくらしに活かそう!」をスローガンに掲げて、関係各社に申し入れ・要請行動を行っています。
 貴社におかれましては、企業の社会的責任を果たし、一日も早く良好な労使関係を確立するためにも、関係する争議の全面解決のため真摯に努力をされるよう、以下の諸点を要請します。

一、都労委審査を待つまでもなく、司法判断でも維持された中労委命令「付言」に基づく全面解決への道筋である「互譲による合意」に向け、早期に話合いの場が設定されることを強く求めます。
一、 売上高10億円の水増し発覚など、明治HDは株主の信頼を揺るがす深刻な事態です。信頼回復に向け、異常体質の象徴である労働争議の解決を決断すべき局面にあることを強く申入れます。

以上


2.継続している明治グループ役員宅要請行動
 新型コロナ感染は従来型より「変異株」の比率が拡大の様相を見せる中、「緊急事態宣言」が発出される環境から直接の訪問を自粛し「郵送」にしました。下記、松田克也社長への「申入書」を紹介します。尚、明治HD・川村和夫社長、株式会社明治・中山悠名誉顧問、浅野茂太郎名誉顧問宅へも郵送しました。

2021年 5月22日

株式会社 明治
代表取締役社長 松田 克也 殿

神奈川県労働組合連合会
議 長  角谷 和典
明治乳業争議支援共闘会議
  議 長  松本 悟
明治乳業賃金昇格差別撤廃争議団
団 長  小関 守

申 入 書
━━ 都労委調査開始に当たり、中労委命令が示した「解決への道筋」に基づく英断を強く求める認定された差別・人権侵害などの事実にフタをし、「争議は終わった」の対応は許されない ━━

 お伝えの通り、異常な経過によって都労委に残留している39事件(市川工場23件、全国9工場16件)の第一回調査が4月26日、コロナ感染防止の厳しい規制のもとで行われました。 私たちは、明乳事件は典型的「不当労働行為・差別事件」との揺るぎない姿勢で調査に臨み、これまで審理された4件(市川工場3事件、全国事件1事件)の異常な判断の枠組みの見直しを強く求め、39件の審査を通して改めて事件の全体像を明確にする決意を明らかにしました。
 同時に、調査開始に当たって当事者企業の最高責任者である松田社長に強く求めたいのは、全国事件中労委命令の事実認定と「付言」によって明確にされ司法判断でも維持された、格差(差別)・人権侵害の歴史的事実を真摯に受け入れ、高齢化など人道上も放置が許されない異常事態となっている長期争議の全面解決に向け、その道筋が現経営陣の英断で切り拓かれることです。

本社指揮で、従業員を「赤組・白組・雑草組」に分断しての差別・人権侵害は明白な歴史的事実
 都労委審査では、全国事件中労委命令の事実認定が前提とされるべきです。例えば、認定された戸田橋工場のインフォーマル組織「民主化同志会」結成に関する秘密資料「高島ノート」では、「同年(昭和41年)7月19日に開催された同会合には、市川工場から工場長が出席しており、他の工場からも課長などの職制らが出席していた。同会合においては、東京、茨城、市川、神奈川、久米川、主基、八王子、両国、戸田、豊島の各工場からの出席者が、各支部での役員選挙等に関する状況報告等を行った」(37頁)とし、会社召集の会議において労組介入の議論が赤裸々に行われていた事実を明確に認定。同様に、市川工場での「笠原ファイル」、大阪工場での「秘密録音テープ」に関する認定、福岡工場での「村田ノート」等も内容に踏み込んで認定しています。
その上で、これら不当労働行為意思を明確にした証拠類について、「それぞれ成立の真正が認められる」(39頁)と判断するなど、中労委命令の事実認定は極めて重要な到達点となっています。

明治乳業時代の人権否定など異常な企業活動が残した「負の遺産」の清算は現経営陣の責任です
 会社経営陣は当然ながら世代交代を重ねています。市川工場事件の申立時(1985年4月)は島村靖三社長でしたが、現在の松田社長に至るまでを数えても経営陣の変遷に歴史を感じます。
退任された歴代社長にも、それぞれの時期に労働委員会や司法が執った全面解決への指揮を真摯に受け入れ、経営判断すべき局面がありました。しかし、残念ながら頑なに門戸を閉ざす異常な対応が引き継がれ年月を重ねてきたのが現実です。松田社長、明治グループをめぐる経営環境の厳しさを見ても、自らの英断で古い企業体質を清算すべき局面にあることを強く要請します。

以上

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