4月活動レポート
(5月13日)

 

新型コロナウイルス感染拡大防止から争議団活動「自粛」が続きます
「自粛」の中でも呼びかけ継続の署名にご協力を!

 世界的規模で新型コロナウイルス感染が拡大し重症患者、軽症患者、潜在性患者問わず医療従事者の懸命な努力の中でも尊い命が奪われています。
「緊急事態宣言」が出されて、全ての分野に「うつらない・うつさない」とした「自粛」要請が出されました。3密(密集、密接、密閉)を避けることを呼びかけられる中で、特に、飲食・営業者、中小企業、宿泊旅館業、文化従事者、他等に収入が途絶え死活問題として深刻さをましています。また、人権回復への道としてある機関の司法、行政(労働委員会)等々が停止、閉ざされ「ステイホーム」の呼びかけの下厳しい状態です。
 争議団、支援共闘会議、弁護団としても36年争議解決を切り拓くために裁判所・労働委員会活用でこの年の早い時期に解決局面をと奮闘している矢先での「自粛」を余儀なくされています。一日も早い「収束」をつくり出して、株式会社明治・松田克也社長に対し「座り込み行動」を復活し、私たちの主張を聞き入れていただく目的の行動で、市民の皆さんに訴えていく決意です。
 また、争議解決に応じるまで明治の製品は買わない「不買署名」を呼びかけています。是非ともご協力をお願いします。


1.最高裁判所に「上告理由書」、「上告受理申立て理由書」を提出(4月7日)
 東京高等裁判所第21民事部・定塚誠裁判長裁判官(谷口園恵裁判官、倉澤守春裁判官) (2020年1月30日)から、判決本文は僅か4ページ半。上告人らの請求棄却の理由は20行に過ぎず、事実認定については一切触れていない判決です。東京高裁たる前代未聞の手抜き判決で絶対に許すことは出来ません。
 争議団は最高裁判所へ上告手続きを取り、@「上告理由書」=・労組法27条2項を憲法違反、・判断の遺脱、・審理不尽、・理由不備、・理由齟齬。A「上告受理申立て理由書」=・判例違反やその他の法令の解釈に関する重要な事項を含む事件である等の構成を4月7日に提出しました。

2.第52次座り込み行動 4月17日(新型コロナウイルス感染防止から「中止」)
 中労委命令「付言」の立場で座り込みを継続しています。改めて「付言」を掲載しますのでご一読お願いします。

明治不当労働行為再審査事件(平成25年(不再)第47号)中労委命令書

第5 付言
 本件の労使紛争及びこれに関連する事情等として、次の点を指摘することができる。
昭和40年代において、会社の施策に賛同する当時の職制らが、市川工場事件申立人らや本件申立人らに対し、同人らの信条や組合活動等を理由とする誹謗中傷と評価されるのもやむを得ない活動を行っていたことは既に認定したとおりである。そして、会社は、信条や組合活動等を問うことなく、従業員を公平・公正に取り扱うべき義務を負っていたにもかかわらず、少なくとも会社内で責任ある地位にあった職制らの上記活動を抑制することはなかったという限度においては、非難を免れ得ないところである。また、昭和40年代から昭和50年代初頭における査定の結果とはいえ、市川工場事件申立人ら及び本件申立人らとその他集団との間に職分格差(その帰結としての賃金格差)が存在していたのは紛れもない事実である。さらに、昭和60年に市川工場事件が申し立てられ既に30年余りが経過し、労使紛争が極めて長期化していることに加え、前記第3の9で摘示した39件もの関連する後続事件が都労委に係属するなど労使紛争が深刻化し、この間、市川工場事件申立人ら及び本件申立人らのうち12名が死亡している状況にある。
 上記で指摘した事情からすれば、本件の労使紛争による関係当事者の物心両面の損失は大きいものといえ、また、今後も紛争の続くことによる負担やコストの増大も避け難いことは明白といえる。このように長期化し、深刻化した紛争を早期に解決することが当事者双方に強く求められるところであるが、そのためには、当事者双方の互譲による合意をもって紛争の全面的解決を目指すべきことは自明の理である。当委員会は、当事者双方に対し、そのような解決に向けた対応を求めるものであり、殊に会社に対して、より大局的見地に立った判断が強く期待されていることを指摘しておくこととする。



3.本社座り込み行動と同時並行した明治グループ役員宅訪問活動も「自粛」として、郵便送達としました。(4月18日付)
 松田社長他に、明治HD・川村和夫社長、同・松尾正彦会長、株式会社明治・中山悠名誉顧問、同・浅野重太郎名誉顧問宅へも郵送しました。

【株式会社明治・松田克也社長への申入れ書】

2020年 4月18日

株式会社 明治
代表取締役 社長 松田 克也 殿

神奈川県労働組合連合会
議 長  角谷 和典
明治乳業争議支援共闘会議
議 長  松本  悟
明治乳業賃金昇格差別撤廃争議団
団 長  小関  守


申 入 書

━━ 明治乳業時代の人権否定と差別は明白、貴社の解決責任に時効はあり得ません
松田社長、都労委残留事件の審査開始を待たずに全面解決を決断すべきときです━━

 ご承知の通り、新型コロナウイルスの地球規模での感染拡大は極めて深刻であり、日本においても「緊急事態宣言」が発せられる事態となっています。また、貴社がスポンサー契約を締結している東京オリ・パラ競技大会も来年夏に延期されました。
 私たち争議団も感染拡大に最大限留意し、予定している行動を可能な限り「自粛」しながら、貴社に対して争議解決を求める必要最小限の行動継続に留めています。
 高裁での「和解勧告」は、粘り強い指揮の発揮もなく不調に終わりました。しかし貴社には、審理の到達点から判断しても争議を継続すべき道理は無くなっています。
 私たちは貴社及び明治HDに対し、全国事件への中労委命令(17年1月)を契機に全面解決を求める「申入れ」を毎月行っていますが、その根拠は中労委命令の事実認定と「付言」にあります。中労委命令は、不当労働行為事件の判断要件である集団間格差の存在を「紛れもない事実」と断定し、不当労働行為意思についても「会社は非難を免れ得ない」と厳しく指摘したのです。そして重要なのは、この中労委命令「付言」の内容が、地裁判決及び高裁判決でも維持されていることです。私たちは、この道理ある全面解決への道筋を目指し「緊急事態宣言」の厳しい状況下ですが、6月の株主総会を視野に置きながら、貴社及び明治HDに決断を強く求めて奮闘しています。

オリ・パラ大会が延期になった今、企業戦略に照らし長期争議を抱えるリスク判断を
 新型コロナウイルスの感染拡大は、労働委員会や司法の審査・審理にも深刻な影響を与えています。お伝えの通り私たちは、貴社及び明治HDが明治乳業時代からの差別や人権侵害など、歴史的事実として第三者機関で認定されたことを率直に認め、解決への姿勢を示さない限り第三者機関での闘いを継続せざるを得ないのです。従って、高裁不当判決の上告審と同時に都労委「残留事件」の審査も開始予定ですが、「緊急事態宣言」の影響で滞留している状況です。しかし、私たちが強く求めているのは審査・審理の開始よりも、中労委命令「付言」が示した「当事者双方の互譲による合意」への道筋です。松田社長、経営戦略上も重要なオリ・パラ商戦が来年夏に延期となった今の局面でこそ、6月株主総会を節目に古い企業体質の象徴である長期労働争議を全面解決し、国際市場への本格的な飛躍を目指すべきではないでしょうか。
以上

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