8月活動レポート
(9月9日)

 

1,東京争議団共闘会議 裁判所共同宣伝 8月7日
 「一人の首切りも一切の差別も許さない」一点での共同行動の一環として、東京地裁・高裁裁判所前での宣伝に、オランダ航空日本人客室乗務員の雇い止め地裁闘争。東京私教連鶴川高校常勤教師の解雇事件。建交労・京王新労組委員長はじめ雇用延長待遇地位確保高裁闘争。明治乳業全国9事業所32名の高裁闘争で実施しました。

明治乳業争議団の訴えチラシを紹介します。
 尚、「意見書」は、道幸哲也北海道大学名誉教授であり、かつては、北海道地方労働委員会公益委員(会長)を勤めてきました。

高裁は証人採用し慎重な審理 判断を事件解決に結びつく訴訟指揮を求める
事件の全体像把握にむけ「道幸意見書」、「4氏陳述書」提出
 明治乳業事件の高裁第2回口頭弁論が7月11日開かれました。控訴人側は弁論に先立って、この事件の最大の争点である「労組法27条2項(除斥期間)の機械的運用の可否について論じた「道幸意見書」を提出しました。同意見書は中労委と地裁が適用外とした「継続する行為」と「累積格差の一挙是正」を理論的に突破する大きな武器となるものですが、口頭弁論で正式に証拠採用となりました。
 また控訴人と補佐人4氏の陳述書も提出していましたが、この4氏の証人尋問採用を要請。合せて準備書面も提出しました。特に証人の採用については、事件の全体像とリアルな不当労働行為を把握、再現するためにも必要であると強く要請しました。

意見陳述で中労委 地裁判断の誤り指摘  昇格基準「B考課」与えない運用差別 口頭弁論では短い時間ながら意見陳述が実現。代理人(弁護士)は年間平均97万円もの大幅な賃金格差がある。この不利益取扱いの成否が審理の対象であるとし、格差の由来を掘り下げて指摘しました。
 その大きな要因は、控訴人らを昇格・昇号させないとする結論が先にあって、意図的に昇格規定に必要な「B]考課を与えず、さらに意図的に「D」査定にして昇格させないとする運用を長年続けてきた結果が大きな格差となっている。徹底して昇格・昇号を妨げ続けることが会社の人事政策であったことを明らかにしました。
 高裁には、中労委命令と地裁判決を見直す再審理がなんとしても必要であることを訴えました。

中労委命令「付言」は生きている、早期解決こそ「自明の理」
 明治乳業事件に中労委命令は「棄却」とした一方で、早期解決を促す「付言」なる項を設け「長期化し、深刻化した紛争を早期に解決することが強く求められる」とし「当事者双方の互譲による合意をもって全面的解決を目ざすべきは自明の理である」と解決への道筋を示しました。

 高裁審理の途上でも「付言」の立場を生かし、異常に長期化した事件の早期・全面解決に結びつく指揮を最大限模索することが大切です。



2,第44次座り込み行動 8月19日
 中央労働委員会命令「付言」の立場に立ち「話し合い」での解決求める座り込み行動を継続しました。座り込み行動開始2016年1月スタートから3年7ヶ月経過(述べ65日間、1202団体、2562人、90時間)しています。

 主催者挨拶の松本議長は、カール菓子終売に関しての明治HD川村和夫社長のコメントに対し、消費者の皆さんが、「該当製品へのリスペクトの無さ」と「冷血かつ冷酷な発言の数々」に我々は、目を疑い、そして怒りと悲しみに陥ったと社員の声が届いている事を告発。
 また、株式会社明治の職場からの口コミから、▼上司の指示は一方的で的外れ。▼指摘しても改善されず不満を持つ人が多い。▼トイレになかなか行けない。▼休憩時間取れないときは昼食とれず体調を崩す。▼本社から偉い人きたら必ず飲み会に参加、両隣を女性で固めるよう指示、2次会も強制参加。▼必要ないのにお歳暮とお中元を必ず一品は買うよう促される。等々内情の告発があることを紹介し、利益確保の手段として、資産売却や十勝帯広工場、北陸工場、根室工場、北上工場閉鎖とカール工場は5工場を1工場に縮小する方針から発生する社員の雇用と地域経済を守ることを強く求めました。
 激励に駆けつけてくれました首都圏大学非常勤講師・衣川さん、全国差別連絡会・土井さん、戸田地区労議長(支援する戸田の会)・横田さん、JAL客乗争議団・宝地戸さん、申入れに入った東京争議団サポター・土田さんなどから連帯の挨拶をいただきました。
 参加者へのお礼と争議解決に向け米元事務局次長が、この座り込み行動の継続と中労委命令「付言」を受入れ解決すべき事件に背を向け続けていることは許せない。取り組んでいる「不買宣言署名」の拡散を、明治が応じるまで続けていく決意と協力を訴えました。



3,役員宅訪問  8月18日〜24日
 明治HD・川村和夫社長、株式会社明治・松田克也社長、株式会社明治・浅野茂太郎名誉顧問などのお宅を訪問し、中労委命令「付言」が示している道筋に立って話し合いでの解決を求めてきました。しかし、それぞれ居留守の様子でした。

【松田克也社長への「申入書」を紹介します】

2019年 8月24日

株式会社 明治
代表取締役 社長 松田 克也 殿

神奈川県労働組合連合会
議 長  角谷 和典
明治乳業争議支援共闘会議
議 長  松本  悟
明治乳業賃金・昇格差別撤廃争議団
団 長  小関  守

申 入 書

島村名誉顧問のご逝去に、謹んで哀悼の意を表しご冥福をお祈り申し上げます
松田社長、島村さんの「終わるといいね」の遺言に沿う経営判断が切望されます

 私たちが争議解決へのご尽力をお願いしに、島村さん宅を訪問させて頂くようになったのは、昨年6月28日召集の「第9回明治HD株主総会」議場でのご挨拶が縁であり、翌7月からの約1年に及んで何度となく訪問させて頂きました。今年6月に訪問した際にも、日常化されていた1時間ほどの散歩から帰宅されたタイミングでお会いしました。訪問のたびに、ご高齢にもかかわらず玄関先まで出られ、要請を真摯に受け止めて頂き「早く終わるといいね」、「分かった、社長に伝えるよ」等の対応もして頂いておりました。7月25日に訪問した際に、ご遺族から「一週間前に亡くなった」と知らされ突然のご逝去に驚き、ご冥福をお祈り申し上げた次第です。島村さんが長期労働争議に残してくださった遺言は、「早く終わるといいね」の一言です。
 本争議は、島村靖三社長時代からの継続ですから全面解決まで見届けてほしかったのですが、「早く終わるといいね」の一言(遺言)を残し全面解決への後押しをして頂いたことに心から感謝を申し上げ、その実現を現経営陣に強く求めるものです。

訴訟指揮を待つまでもなく「話合い解決」に向け真摯に向きあうことを強く求めます
高裁第2回弁論期日(7月11日)では、裁判長裁判官交代に伴う弁論更新が行われ、控訴人ら代理人が原命令・原判決の誤りを正す意見陳述を行い、争点解明の鍵となる意見書(道幸哲也 北大名誉教授)や準備書面を提出し、さらに証人申請(4人)を行うなど慎重審理を求めました。裁判長は、原告書面への被告及び参加人の反論書面提出などを前提に、証人採否の判断も含め次回期日を10月15日と設定しました。従って、次回期日が高裁審理の全体を見通しても極めて重要です。経過から判断しても、「和解解決」に向けた訴訟指揮が十分に予測されます。私たちは、司法判断としての「和解勧告」には勿論のこと、訴訟指揮を待つまでもなく貴社が「話合い解決」に真摯に向きあうならば、円満解決への道筋に必ず到達できると確信しています。それは、中労委命令「付言」など争議の到達状況や、明治グループが置かれている経営環境から判断しても、さらに労働争議を長期化する大義も道理もないことが明らかだからです。
私たちは、明乳争議をめぐる上記の様々な状況や、島村名誉顧問の「早く終わるといいね」の一言をも念頭に、今期「明治HD株主総会」への対応を決断しました。
 松田社長、長期争議の当事者企業経営陣として「負の遺産」を清算すべき局面です。

 

以上

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