11月活動レポート
(12月14日)

1.東京争議団共同宣伝(東京地裁)11月7日
 明治乳業差別「全国事件」いま判決を目前にして、この事件は典型的な不当労働行為事件、事件解決に結びつく判断求め宣伝・要請しました。
 東京地裁で争われてきた明治乳業全国事件の判決が目前に迫っています。この事件、中労委「棄却」命令の取り消しを求めたものです。
 申立人(原告)らが中労委に申立てた真意は、1960年代からの累積する格差の一括是正を求めたものでした。しかし命令は申立期間の制限などという見地で「継続する行為」には当らないとして「棄却」としました。
 一方で中労委は、申立人らが求めた、過去に遡って見たならば不当労働行為の事実は「非難を免れ得ない」とし、賃金・職分格差は「紛れもない事実」と明確に認定したのです。
 この事件の全体像は、単年度の考察のみでは到底はかり知ることはできません。半世紀にもおよんで明治がおこなってきた不当・不法行為の全体をくまなく見渡すことなくして真実を導き出すことはできません。その立場から直視すれば、まさに典型的な不当労働行為事件といえます。
 東京地裁におかれては、長期におよぶ差別事件に対して「継続する行為」の正しい適用を含めて原告らが求める真意を深く考察され、事件解決に結びつく判断を強く求めました。

2.明治HD筆頭株主・みずほ銀行本店要請 11月15日
 千代田区春闘共闘委員会が主催した11・15各行政、企業への要請行動にエントリーして、間近に迫っている全国9事業所32名に対する東京地裁判決がどの様な判決であっても、中労委が示している話し合いでの解決の指摘から、筆頭株主としての立場から、株式会社明治に仲立ちをしていただくことを強く要請しました。
 本店要請と合わせて、大阪支店、名古屋支店、静岡支店、南浦和支店、市川支店等々へ要請をしてきました。

3.明治HD・(株)明治 役員宅訪問 11月13日、16日、17日、24日実施
 本社への申入れに対し、拒否し続けるためにやむなく毎月訪問しています。株式会社明治・松田克也社長宅では、奥様が門扉まで出てきて「申入れ書」を受け取っていただきました。明治HD・川村和夫社長宅は、最初訪問した折り奥様がマンション入り口まで出て申入れ書・資料を受け取っていただいたことがありましたが、その後一切インターフォンにも応じていただけないことが続いています。
 株式会社明治・名誉顧問宅では、毎月奥様が応対してくれています。また、本人が直接話しを聞いてくれている名誉顧問や、妹という方がインターフォンに応じて資料はポストに入れておいて下さいと。確かにお渡ししますからご苦労様ですと言う名誉顧問宅。
 一日も早く本社で受け取ることを求め、中労委命令の示している話し合いを求め続けていきます。
4.11・19(株)明治包囲デモ行進で、「争議解決」と食の「安全・安心」を求め、音楽ユニオン・デキシーバンド演奏先頭に整然とアピール。本社前での集結行動をおこないました。
 

 ご通行中のみなさん、ご近所でお働きのみなさん、大変お騒がせをいたしております。
 私たちは、京橋2丁目の「京橋エドグラン」に本社があります、株式会社明治に対し、30年を超える長期労働争議の解決と、食の「安全・安心」を担う社会的責任を求めて闘っている、明治乳業争議団と支援者・支援団体のデモ行進です。みなさん、明治の職場では長い間、労働組合活動を行う労働者らを差別し排除するために、労働者を紅組・白組・雑草組に分類して管理をし、働く者の人権や食品の「安全・安心」を求める労働者らに「紅組」のレッテルを貼り、昇給・昇格や仕事差別など人権侵害の限りを尽くしてきたのです。その結果、多くの仲間たちが年間で5ヶ月分もの賃金差別を受け、なかには40年も勤続して一度も昇格することなく、定年退職時の手取り給料が18万円にもみたない労働者もいるのです。
 皆さん、明治乳業争議団は、深刻な差別や人権侵害を労働委員会や裁判所で争いながら、会社に話合い解決を求めて頑張ってきました。そして、労働委員会や裁判所も明治に対し、何度も「話合い解決」を提起しているのです。昨年1月の中央労働委員会命令は、明治が行った昇格差別や組合活動介入の不法行為を認定した上で、会社に対し長期争議の解決に向け、「より大局的見地に立った判断が強く期待されている」と、強く提起したのです。
 しかし、明治はかたくなに拒否をし、多くの団体などからの要請にも門戸を固く閉ざしているのが現状です。私たちは、このような明治の異常な対応に対し、長期に及ぶ労働争議を話合いで解決し、食品の「安全・安心」を守る社会的責任を求めてデモを行っています。皆さん、人権が守られない明治の生産現場では、不祥事や不正行為が後を絶ちません。
 例えば、「大腸菌に汚染された脱脂粉乳」を密かに再利用し、保健所に摘発され「食用流通停止処分」になるとか、菌が正常に添加されないヨーグルトを「味は同じ」等として出荷販売。最近では、「学校給食用牛乳異臭事件」の原因を隠ぺいし、児童の感性や酪農地に責任を転嫁。また、「R−1ヨーグルトがインフルエンザに効く」などの薬事法違反スレスレの誇大広告や、「高カカオチョコレートで脳が若返る」等、比較検証も論文発表もない消費者をあざむく儲け本位の姿勢など等、これら企業倫理の在り方が国会でも厳しく追求され、マスコミも「隠ぺい止まぬ明治」とか「消費者無視の労務屋経営」などと告発が続きます。
 皆さん、この企業体質で明らかなのは、「従業員の人権を守れない明治では、消費者が願う『食の安全』」も守れない」ということではないでしょうか。私たちは、この様な「外にバレなければ何でもあり」の経営姿勢を改めさせるには、世論で大きく包囲する運動で異常な労働争議を早期に解決させ、「儲けのためなら何でもあり」の隠ぺい体質を改めさせる事が求められると痛感しています。
 皆さん、私たちの株式会社明治と親会社明治HDを包囲するデモ行進の目的が、30年以上も続いている異常な労働争議の早期解決と、食品の「安全・安心」を担う社会的責任を求める行動であることへの、ご理解とご支援を心からお願い申し上げ、ご通行中の皆さまからも、一歩でも二歩でもご一緒に歩かれることを呼びかけさせて頂きます。



5.東京オリ・パラ組織委員会へ要請継続 11月21日
 貴組織委員会に対し、昨年12月から6回に及んで行ってきた明治に関する情報提供を踏まえ、改めて、次の点について強く要請をいたします。

  1. 明治及び明治HDの企業体質は、明らかに食材調達基準に違反しているといわざるを得ません。選手ら大会参加者の「安全・安心」を守る観点から食材調達の契約は、「調達コード」に基づき厳正に行われることを求めます。
  2. (前回の質問)・「明治おいしい牛乳」が「東京2020オヒィシャル牛乳に決定」との報道があり、明治は商品容器に「オヒィシャル牛乳」である旨を表示して販売している件で、決定に至る経緯と理由の説明を求めます。
  3. 明治の企業体質は、ILO多国籍企業宣言(ILO中核的労働基準含む)などに照らしても、半世紀余りもの長期に及んで労働争議を抱え、司法など第三者機関の「和解勧告」をも拒否し続けるなど、貴組織委員会が定める「調達コード」に、二重三重に違反していることは明白です。
    貴組織委の厳正な審査により、現状のままでは明治からの食材調達は出来ないことを明らかにされ、改善措置として「労働争議の解決」に向けた是正勧告などが行われることを要請します。

※応対者は、皆さんからいただいていますこの間の情報などは、各部署で「共有」していますと答えるにとどめています。これらの対応に対し、今後の要請・申入れを検討し直すことにしていきます。


6.全国9事業所32名東京地裁判決 11月29日
 全国9事業所32名、東京地裁・春名茂裁判長は明治乳業の不当労働行為認めない不当判決、しかし、過去の差別は否定せず

 判決後の報告行動の中で弁護団・金井弁護士から、判決内容は中労委命令を追認したもので、求めた継続する行為・累積格差を認めない不当判決だと指摘し、その他の中労委命令の判断をしていない点は、過去の差別を否定していないことになる。このことに関しては重要とみて良いと考えます。すくなくとも解決に向けての運動につながることになると、判決・判断の部分から感想、報告がありました。
  明治乳業争議支援共闘会議・松本議長は、残念な棄却判決ですが、中労委命令を追認したものと報告でしたが付言を含めて判断をしていないことは、明治乳業に歴史的に紛れもない格差と不当労働行為・いじめがあったことに非難は免れ得ないと断罪していることに確信をもって運動で解決を図るため全力をあげていきますので、最後までのご支援を呼びかけられました。 争議団・小関団長は、判決言い渡しに80名からの支援者が駆けつけていただいた皆さんにお礼と、証人4名を採用しなかった春名茂裁判長の訴訟指揮から一面予想をしてきたこと、その中で一番危惧していた中労委命令の事実認定と付言に対し、あらぬ判断をしてくることを一番恐れていた。とそして、この判決を節になんとしても終結を見つけだすために、今一度奮闘することを決意し皆さん方のご支援を呼びかけました。

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