9月活動レポート
(10月9日)

1.東京地裁・高裁 東京争議団共同宣伝 9月5日
「一人の首切りも差別も許さない」一点での共同行動で配布したチラシ
東京地裁には解決に結びつく判断、判じを求める

 明治乳業差別「全国事件」は、すでに24年が経過し、市川工場事件からでは34年目となる長期争議です。争議団員は全国9事業所64名ですが、年平均97万円、最大で187万円にもなる賃金格差。昇格ではおよそ13年にもなる差が生じています。入社時のまま1ランクも昇進しない原告もいます。
 「無能力者」「生産阻害者」「赤虫・ゴキブリ」などの人権侵害の限りを尽くす排除がくり返されてきました。こんな汚名を貼られたまま15名もの団員が他界。生存者も最高齢79歳にもならんとしています、年金生活ではその年金にも大きな格差がありまさに生涯差別となっています。原告らは「ならず者」のレッテルはなんとしても剥がさなくては「このまま人生終えることはできない」と訴えています。
 いま東京地裁には原告らが「上申書」提出を続けていますが、その赤裸々な事実の一部分を紹介します。

【原告らの言葉】
 「志宝会員(インホーマル組織)あらずんば人にあらず」とする人権・人格を否定する差別攻撃が日常的に加えられるように・・・。
 長期にわたる賃金差別は本人が他界しても終わらず、残された遺族までが年金で、明治によるいわれのない差別を引きずっているのです。 井村隼啓(大阪)
                            
 差別の結果、標準的従業員が入社から6年で1ランク昇格する制度のもとで、と戸田橋の原告3人は28年、33年、28年かけてやっと1ランク昇格。私は11年で昇格したが、その後23年間も据え置かれたまま。
 人間性すら否定する卑劣な差別攻撃を受け続けたのです。 岩崎 弘(戸田橋)
                             
 昭和40年の入社から23年後の昭和62年にやっと1ランク昇格。標準者の3倍以上の年数です。その後、定年まで19年間は同一職分のままでした。
 すでに原告らは全員が古希、喜寿に・・・、病に臥している人、妻に先立たれた人、夫の遺志を継いで頑張っている方、みんな何とか生きている間に解決させたいと頑張っています。 野村 茂(愛知)

2.9.20東京地評争議支援総行動
 東京地評争議支援総行動が9月20日取り組まれました。株式会社明治(京橋エドグラン)には、朝一番のメイン行動として135名が参加していただき、松田克也新社長に対して、初めての争議解決を求める「抗議・申入れ」をおこないました。


【主催者挨拶】
東京地評;白滝誠副議長
 労働者差別、イジメを33年にわたっても解決のテーブルにも着かないひどい会社だなと強い憤りが語られ、そして、安倍内閣によって労働者の働く権利、生活が脅かされているなかでの労働組合としてのたたかいなどに触れられ、それらの運動の一つとして東京地評、明治乳業争議の一刻も早い解決に向けて、全力をあげて解決を迫ることを表明されました。

【連帯挨拶】
@明治乳業争議支援共闘会議;松本悟議長
 人権侵害と賃金差別、不当労働行為事件で34年のたたかいに、中労委命令、東京地裁は二度にわたり和解勧告をする、衆参国会で高カカオチョコレートの脳の若返り効果のインチキや、R−1ヨーグルトのインフルエンザに効くとの問題、新宿区などで1900人が学乳異臭事件等々、新聞や月刊誌が大きく報道され経営責任が求められているなど、運動で会社を追い詰め潮目を変えてきています。
 その上に立って三つの提言をしました。
▽2000年以降食品事故36件、死亡事故7件、解雇や賃金差別などの争議12件、これらを総括し、謝罪し、反省すること。
▽賃金差別と人権侵害事件である明治乳業争議を話し合いで解決すること。
▽食品企業として食の安全と社員の人権を守るまっとうな企業になること。

A埼労連;伊藤稔議長
 明治は東京五輪・パラリンピックのゴールドパートナーとなっておられる。選手がインタビューを受けると、背後に会社のロゴマークが写しだされる宣伝効果があるのでしょうね。大企業が持つ権力や能力や財力は、労働者や社会に向けて使う、内部留保をため込む為にあるのではない。明治がゴールドパートナーになるのなら、20年も30年も続いていて、先ずは話合いのテーブルに着いて争議を解決することが先決ではないのではないでしょうか。それからオリンピックにいきましょうと指摘。
 明治乳業は長いこと労働者を差別しておいて、イジメておいて今でいうブラック企業です。パワハラを続けておいて、解決の道筋にものってこないテーブルにも着かないこうゆう企業ですと、解決まで共に頑張っていく決意を話されました。

B東京母親連絡会;木原秀子委員長
 母親大会連絡会は、1954年アメリカのビキニ環礁でおこなわれた水爆実験に抗議して、子どもたちを核戦争から守りましょうと女性や母親たちが集まってつくられました。母親は命を守り、命を育てることを望みます。母親と牛乳は深い関わりがありました。50年前、アメリカでは家畜のエサであった脱脂粉乳を、日本は学校給食で子ども立ちに飲まさせていました、ほんとにまずかったです。母親は、牛乳を飲ませたいと美味しい栄養のある生乳を飲ませたいと運動もありました。
 明治乳業は、これまで異物があったり異臭があったり私たちが許すことができない。
企業行動憲章をみると・・・あります。言っていることとやっていることとは全然違うでありませんか。明治経営者の皆さん企業行動憲章にあるように、人格を保障するならば、働きやすい職場をつくると言うならば、真っ先にすることは争議を解決することです。消費者・団体として明治を許すわけにはいきませんと厳しく争議解決を求めました。

【決意表明】
明治乳業争議団;小関守団長
 30年を超えるたたかいになっています。昨年の中労委命令から確実に潮目が変わりました。差別も不当労働行為もあったと認定されました。会社は、非難は免れ得ないと断罪しています。
 主文・棄却取消しを求めて東京地裁でたたかわれています。中労委の命令を受けて2度にわたって和解勧告をおこなった。会社はかたくなに拒み争議継続にしがみついています。
 異常な姿勢を包囲する運動を、7.19院内集会を大きく成功させながら、東京オリ・パラ組織委員会への要請継続など、あらゆる角度からの運動を支援共闘と多くの支援をいただきながら進めています。11月29日の判決に向けておおいに奮闘してまいりますので、最後の最後までご支援お願いしますと決意と支援を訴えました。


4.明治グループ役員宅訪問 9月22日
 毎月継続した取り組みとして、明治HD;川村和夫社長宅、株式会社明治;松田克也社長宅、同中山悠名誉顧問宅、同浅野茂太郎名誉顧問宅、同島村靖三名誉顧問宅を訪問してきています。また、明治HD;松尾正彦会長宅は9月から要請書と資料関係を郵送訪問に切り替えました。
 ある名誉顧問宅では、毎月奥様が応対していただき争議団の気持ちが名誉顧問に伝わっております。この訪問を通して、長期争議をそれぞれが社長時代に抱え解決の機会があったにも関わらず作りださないできた責任を負うべきとして継続していきます。
 特に、市川工場事件の最たる当事者であります浅野茂太郎名誉顧問に対する手紙を置いてきましたので、紹介しておきます。

浅野茂太郎様
 おはようございます。先月にも訪問した田中です。残念ながらお会いできなかったため、改めて伺った次第です。
しかし訪問のお約束や承諾をいただいてはおりませんので、お留守を覚悟で、この手紙を書かせていただきました。34年間という労使紛争を終わらせるべく、別紙明治乳業争議団と支援共闘会議が求める要請事項とともに、ご一読いただきたいと存じます。

 私は昨年10月29日、浅野さん宅に支援共闘会議の役員として訪問した際、次のようなお手紙を差し上げました。
 「北朝鮮は拉致・核問題などで、国際社会との一切の対話を拒否し、外交で事態が打開できていません」と。転じて明治乳業における労使紛争も、「御社は第三者機関の判断に従うというばかりで当事者間の話し合いを拒否されています」と書きました。

 しかしそれから1年もたたない今月、北朝鮮と韓国は、当事者国と国際社会の努力により70年の分断と対立、ののしりあいといがみ合いを乗り越え、石橋をたたきながらも朝鮮半島の平和を構築すべく両首脳が和解の道を歩み始めました。
 今や朝鮮半島の非核化や朝鮮戦争の終結、その先にある南北の統一国家建設は「あり得ない話」とは言えなくなってきています。

 明治グループ自らが策定した人権方針には、「従業員の基本的な権利を尊重し、従業員との対話を通じて、健全な関係の構築と課題解決に努めます」と御社の経営陣の決意が掲げられています。
一方労働者の救済機関であり、公的第三者機関である中央労働委員会も、「長期化し、深刻化した紛争を早期に解決することが当事者双方に強く求められる」とし、解決に向けた話し合いを促しています。

 経営陣の責任と覚悟を記している人権方針と、公的第三者機関の命令に従って、お互い命あるうちに、「あり得ない解決」への話し合いを始めましょう。
インフォーマルな折衝や話し合いも歓迎したいと思っています。解決を阻んでいる要因はなにか、34年間という時間は北朝鮮と韓国の対立時間からみれば半分です。胸襟を開いて解決のための話し合いを心から呼び掛けるものです。

2018年9月22日
文責*明治乳業争議団千葉県支援共闘会議・副議長 田中恭二

5.第35次座り込み行動 9月25日 
 中労委命令は「主文・棄却」としながらも、32年争議、市川事件・全国事件合わせて都労委に39件が存在している。まして64名の団員の中で12名が亡くなっていることは軽視できない観点から、双方互譲の立場で解決を、ことに会社に対し大局的立場で解決を望むとしました。そのことを受け止めた東京地裁春名裁判長は、「和解勧告」を会社にだしました。しかし回答は、「受けることは出来ません」。それを聞いた裁判長は、改めて、「和解案を考えないでもない、持ち帰って検討出来ないか」と勧告を出しましたが、会社代理人は即座に「拒否」をしたのであります。
 争議団は、なんの理もない争議引き延ばしに対し、強い憤りをもって座り込みを継続しています。これまで、中労委証人調べが終了した2016年1月から明治HD前、株式会社明治本社(当時江東区)、そして現在(京橋エドグランに移転)の中で、雪に見舞われ雨に打たれ強風に煽られながらも、多くの支援を受けながら「話合い解決」を求めての申入れを継続しています。
 今回の第35次も雨の中での行動になりましたが、予定時間を早め30分の時間の中で、村山事務局長、小関団長から雨の中駆けつけていただきました支援の皆様にお礼と株式会社明治に対し中労委、東京地裁からの呼びかけに応えることを求めました。合わせて、9月20日東京地評争議支援総行動直後の訴えに、引き続き近隣の企業、店舗に働く方々にご理解を求めて終了しました。

Copyright 2006 Meiji Dairies Strikers. All rights resarved.