8月活動レポート
(9月11日)

1.東京争議団 地裁・高裁共同宣伝 8月1日
 明治乳業差別を争う「全国事件」、7月5日に開かれた第7回口頭弁論は、申請している証人採用など今後の審査のあり方をめぐって重要な弁論でした。この席で春名裁判長は「証人の必要はない」として弁論終結、即「結審」を宣言しました。
 原告らは、中労委命令の誤りをただすには避けられない証人として立証計画にも反映しながら採用を強く求めてきました。
 命令主文は、下記の問題点を不問にした不当・不誠実なものでした。

  • 原告らの集団性を明確に認定していない。
  • 会社明治の不当労働行為意思を明確に認定していない。
  • 救済年度(平成5年度)前後にも拡大している格差、不当労働行為を認定・判断していない。
  • 「累積格差の一括是正」の救済を放棄。

 原告らは、このような絶対に容認することのできない問題を解明するために証人を申請しましたが、不採用は極めて残念なことでした。
 証人不採用の厳しい現状をふまえながらも裁判所には原告側準備書面を精査され、何んとしても長期争議の全面解決への道筋に結びつく判断が発揮されることを求めるものです。原告らはそのためにも今後、証人らが訴えたかった内容も含めた要請・請願など判決までの4ヶ月間、可能なあらゆる運動を続けていきますとのチラシを配布し、報告と訴えをしました。

2.東京五輪・パラ組織委員会へ追加要請 8月20日

 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会
 組織委員会 会長 森 喜朗 様

全国労働組合総連合  議長 小田川義和
明治乳業争議支援共闘会議 議長 松本  悟
明治乳業争議団      団長 小関  守

 株式会社 明治の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への食材調達について、「調達コード」及びILOとの合意に基づき、「労働争議などのない企業体質」を調達契約の前提とされることを求める要請

 要請内容を下記の三点にまとめ要請しました。担当課長は、各部局にお伝えし次回お越しの際「回答」を申しあげますと応対してくれました。

  1. 明治及び明治HDの企業体質は、明らかに食材調達基準に違反しているといわざるを得ません。選手ら大会参加者の「安全・安心」を守る観点から食材調達の契約は、「調達コード」に基づき厳正に行われることを求めます。
  2. 株式会社 明治のプレスリリースで、「明治おいしい牛乳」が「東京2020オヒィシャル牛乳に決定!」との報道(6月3日)があり、明治は商品容器に「オヒィシャル牛乳」である旨を表示して販売しています。
    貴組織委員会として決定に至る経緯を明らかにすることを求めます。
  3. 明治の企業体質は、ILO多国籍企業宣言(ILO中核的労働基準含む)などに照らしても、半世紀余りもの長期に及んで労働争議を抱え、司法など第三者機関の「和解勧告」をも拒否し続けるなど、貴組織委員会が定める「調達コード」に二重三重に違反していることは明白です。
    貴組織委の厳正な審査により、現状のままでは明治からの食材調達は出来ないことを明らかにされ、改善措置として「労働争議の解決」に向けた是正勧告などが行われることを要請します。

以上


3.第34次・株式会社明治座り込み行動継続中 8月20日 17時〜18時【参加団体】 22団体 43名
 猛暑を避ける時間帯の夕方5時からの一時間実施しましたが、かなりの暑さでありましたが、22団体43名の参加で行いました。
 座り込み行動に先がけて、株式会社明治と親会社明治HDに申入れを行い、食品一般ユニオン佐藤報告によると(株)明治は担当者が居りません。明治HDはアポなしにおいては連絡できません(電話でアポ入れても争議に関してはお受けできません)とこれまた毎月のおきまり応対でしたと話されました。
 主催者;松本議長、支援に駆けつけていただいた全労連;宮垣さん(国公労連特別顧問)はじめ、東京地評;菊池さん、東芝で賃金差別闘争をたたかい勝利和解した石川さん、JAL原告団;石賀さん等の皆さんから激励挨拶をいただきました。

シュプレヒコール
一、明治の松田社長は、新経営陣の責任で異常な長期争議の全面解決を 決断しろ!
一、差別と不当労働行為を認定した中労委命令に従い、直ちに話し合いに 応じろ!
一、「学乳異臭事件」の原因を解明し、学校関係者や児童らに 謝罪しろ!
一、不祥事・不正行為の隠ぺい体質を正し、食品企業の社会的責任を 果たせ!
一、オリパラ大会への食材提供企業になる前に、長期争議を 解決しろ!
一、根室工場閉鎖を止め、雇用・地域経済への企業責任を 果たせ!
一、我々は、明治が争議解決を決断するまで断固として 闘うぞ!



4.明治HD筆頭株主・みずほ銀行要請 8月21日
 明治HD筆頭株主「みずほ銀行」本店に、第9回明治HD株主総会に提出した「事前質問書」をもって、筆頭株主としての役割を発揮していただく要請をおこない、その総会後の要請として、総会報告と11月29日に東京地裁から判決が言い渡される重要な局面にあり、事前での話合いの機会をつくるよう要請してきました。

2018年 8月21日
株式会社 みずほ銀行
代表取締役頭取  藤原 弘治 殿

明治乳業争議支援共闘会
議 長  松本  悟
明治乳業賃金・昇格差別撤廃争議団
団 長  小関  守

 
要  請  書
━━ (株)明治・明治HDの異常企業体質が、国会やマスコミ報道で厳しく追及される
株主総会に「事前質問書」を提出、争議全面解決と企業活動の健全化を提起 ━━

 明治の企業倫理を告発し追及するマスコミ報道が絶えません。ZAITEN(旧財界展望)7月号は、「『ただ儲かればいい』理念は食品メーカーとして失格だ」とし、「明治ホールディングス、議会で糾弾された異常体質」の特集を組み、国会(4月)で追及された「学校給食用牛乳異臭事件」への明治の異常な対応問題や、「高カカオチョコで脳の若返り」等と比較検証も論文発表もない誇大広告の問題を通して、明治の企業倫理を厳しく追及。また、週刊文春(4月26日)は「『明治R―1』がTBS系番組でステマ疑惑」、「2千万円は明治から」と告発するなど深刻な事態です。私たちは、異常企業体質の告発と、長期争議の早期解決を迫る「7・19院内決起集会」を開催し、会場溢れる参加者で大きく成功させる等、明治を包囲する運動に総力をあげています。

株主総会で、「最高裁で終わっている訴訟」等と争議の現状を意図的に無視する答弁
 今期、明治HD社長に就任した川村和夫氏は、グループのグローバル化と、海外市場売り上げ比率20%(現状は7%)を掲げました。私たちは、貴社への前回要請時にお伝えした、明治HD株主総会「事前質問書」への答弁を踏まえた議場発言も行い、海外戦略の視点からも「外にバレなければ何でもあり」的な隠ぺい体質や、人権問題として海外には通用しない長期労働争議の解決の必要性を、経営陣に迫りました。
 異常なのは、不当労働行為と格差の存在を認め、「付言」を特記して会社に争議解決を促した中労委命令や、東京地裁の「和解勧告」など争議解決を求める全ての変化を無視し、「最高裁で終わっている訴訟」の答弁で、訴訟中の全国事件も含め「過去の事件」とする異常な姿勢です。これら争議の現状を無視する背景には、国会での異常体質の追求や、東京2020オリバラ組織委員会への情報提供など、異常企業体質包囲運動が確実に前進していることへの、会社の焦りの証だと私たちは受け止めています。

 今こそ、道理のない争議継続にしがみつく明治に筆頭株主の真価の発揮を求めます
 明治の現状は株主にとっても看過できない事態です。東京地裁判決は11月29日ですが、判決を待つまでもなく長期争議の全面解決は、海外市場への飛躍を掲げる明治グループにとっては待ったなしです。まさに、筆頭株主の真価が問われる局面です。

以上

5.株式会社明治・明治HD社長、名誉顧問宅訪問 8月18日、8月25日
 賃金昇格差別是正を求めた1985年当時の社長は、島村靖三(当時日経連常任理事)に始まり中山悠名誉顧問〜浅野茂太郎名誉顧問〜川村和夫現明治HD社長〜松田克也(株)明治社長と5代に替わってきました。誰一人現役時に解決の節がありましたがことごとく背を向けてきているのが現状です。
◆筆頭株主から見ると現職役員の中で判断する役員は見えない。そのウラの「院政」が立ちはだかっているようだと。極めて異常な経営姿勢として見られています。

 毎月、継続しています明治グループ役員宅訪問に、今年6月明治HD第9回株主総会で、株式会社明治・川村和夫社長が明治HDの社長に就いた後任・松田克也社長宅に初めて訪問をしてきました。
奥様が門扉まで出てきて応対していただき訪問の経緯を話しさせていただくなかで、聞いても解りませんし正しく伝えることもできませんので持参されたものをいただいて主人にお渡ししますと真摯に応えていただきました。
 明治HD社長になられた川村和夫社長宅は、訪問した最初の時だけ奥様が応対してくれましたが今は一切応えてくれていません。(川村氏は、中山悠氏が社長時代「秘書」を務める一方、明治乳業労働組合書記長・中央執行委員長歴任)。労働組合役員出身にも関わらず、「中労委」、「東京地裁」からの話合い解決を提起されているにも答えることなく社会的道理にも背く姿勢を貫き、明治グループの最高責任者に就きました。
正に、労使一体、労使協調主義のもとで、要求を掲げその実現に向けた運動を遂行する労働組合・組合員を嫌悪し、排除する労務政策が今時の時代に生き続けているのが「株式会社明治」なのです。
 その他、明治乳業出身者中山悠名誉顧問、浅野茂太郎名誉顧問、新に、この争議を始めた当時の社長であった「島村靖三名誉顧問」宅、明治製菓出身の明治HD・松尾正彦会長宅に訪問し、自ら社長時代に争議解決を決断しなかった責任を求めつつ「解決」させるべきことを、「申入れ書」、「要請書」に認めて訪問を継続しています。

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