7月活動レポート
(8月9日)

1.東京争議団 地裁・高裁共同宣伝 7月4日
原告の4証人採用を強く求めます
 提出している「立証計画」にもとづいた証人採用は、中労委命令の主文「棄却」を見直すためには欠かすことができません。

救済年度においても  格差・不当労働行為はあった
 中労委命令の最大の誤りは「救済年度(平成5年)にも明確に存在した格差と不当労働行為の事実を誤認した」ことです。原告らは中労委審査において、救済年度も含め年々拡大している集団間格差の実態について証拠にもとづき立証。不当労働行為意思についても事実にもとづいて鮮明に立証しました。
中労委が、立証の到達点を注意深く認定・判断していれば、過去の命令例・判例に照らしても「累積格差の一括是正」を内容とする救済命令は十分、可能であったのです。

原告ら高齢化のなか  多くが他界 疾病を抱える
 原告らは争議長期化のなか全員が高齢化し、市川工場事件、全国事件合せた64名のうちすでに15名が「ならず者」「無能力者」のレッテルを貼られ、無念の思いを残したまま他界しています。頑張っている原告らも様々な疾病と向き合いながら「このまま人生終えられない」の思いで闘っています。
原告らの差別は年金にも重く影を落としており決して過去の問題ではありません。長期に及んで会社から憎悪の罵声を浴びせられ差別され、家族も含めて深く傷つきながら耐え忍び、まさに現在に通ずる事件です。
地裁審理で、主文「棄却」とした中労委命令の誤りをただしていただくことが、異常な長期争議の全面解決に道を開くことになります。そのために地裁におかれては、証人を採用される訴訟指揮を発揮されることを強く求めました。

2.中労委命令「主文・棄却」取消し行政訴訟 第7回口頭弁論期日 7月5日
 民事19部春名裁判長は、原告らが中労委命令の認定及び判断、現段階までの主張立証の経緯を踏まえて、4名の証人と証拠調べの必要性と基本的立証計画書を提出して判断を求めてきたにもかかわらず、その事には関しては一切言及することなく、「合議の結果、今日の弁論期日を持って結審とする」と言って、判決日を11月29日午後1時10分と宣告し退席され、ちょっと強引とも捉えられる訴訟指揮を執りました。
 争議団(原告)、弁護団、支援共闘会議、支援者と共に簡易な報告集会を開き、春名裁判長の訴訟指揮に関し、ただ判決を待つことでなくしっかりとした公正判断を求める要請を行うこと。同時に、会社明治対しても、人権侵害・不当労働行為のやり得を許さない運動として、不祥事、経営姿勢の告発運動の一つとして準備している7.19院内決起集会を成功させることを確認し合いました。



3.東京五輪・パラ組織委員会へ追加要請 7月6日
 今回も総務課長へ、稚内工場で製造された脱脂粉乳から、食品衛生法で「検出されてはならない大腸菌群」が検出され、「汚染脱脂粉乳」として倉庫に隔離管理していたものを、8か月後に倉庫から持ち出し、脱脂粉乳として再利用した事件です。マスコミ各社も厳しく企業体質を告発しました。北海道新聞は、「雪印の教訓はどこへ」と題した社説を掲載し、雪印事件を謙虚に学ばない企業体質を厳しく追及。月刊誌「実業界」は、「不祥事は雪印乳業だけではなかった、『明治乳業』よ、お前もか!」と告発をし、月刊誌「財界展望:現在のZAITEN」は、「大腸菌群汚染『脱脂粉乳』使った明治乳業『食品衛生法違反』事件」として、企業モラルを厳しく追及しました。
明治乳業争議団と同支援共闘会議は、厚生労働省に「汚染脱脂粉乳再利用に関する質問書」を提出し、真相解明と再発防止に向けた行政指導を強く求めました。さらに、日本共産党国会議員(高橋千鶴子及び山口富男 両衆議院)が、「食の安全・安心に関する質問主意書」を内閣に提出し、真相解明と同時に厳しい行政指導を求めています。等の資料を提出して明治の異常な企業体質を説明し、以下の2項目を要請しました。

  1. 明治及び明治HDの企業体質は、明らかに食材調達基準に違反しているといわざるを得ません。選手ら大会参加者の「安全・安心」を守る観点から食材調達の契約は、「調達コード」に基づき厳正に行われることを求めます。
  2. 明治の企業体質は、ILO多国籍企業宣言(ILO中核的労働基準含む)などに照らしても、半世紀余りもの長期に及んで労働争議を抱え、司法など第三者機関の「和解勧告」をも拒否し続けるなど、貴組織委員会が定める「調達コード」に二重三重に違反していることは明白です。
    貴組織委の厳正な審査により、現状のままでは明治からの食材調達は出来ないことを明らかにされ、改善措置として「労働争議の解決」に向けた是正勧告などが行われることを要請します。


4.「7・19院内決起集会」 7月19日
学乳異臭問題・高カカオチョコ問題・R-1ステマ問題などの真相と争議の早期解決求め「院内決起集会」開催
 明治乳業争議団と同支援共闘会議は7月19日、衆議院第2議員会館で、竃セ治による学校給食用牛乳の異臭事件など一連の不祥事の真相を究明し、長期におよぶ争議の早期解決をめざす「院内決起集会」を開きました。
明治は、異臭事件の他にも高カカオチョコレートの効能偽装や、「R−1ヨーグルト」のステマ疑惑などが連続して発生し国会衆参両院で追及され、メディアでも数誌に批判されています。一方、労働組合活動を理由とする賃金・昇格差別事件は34年目となっており、人道上からも早期解決が求められています。
 先がけて、院内集会参加要請を、「消費者問題特別委員会」衆議院34委員、同参議院24委員に「30年明乳争議に春を」のパンフレットを資料として各秘書の方々にお願いしました。
 主催者あいさつで支援共闘会議の松本悟議長は「中労委、東京地裁が和解を勧告するなど、会社は追い詰められている」と指摘。争議勝利のために力を合せましょうと呼びかけました。
 国会終盤の多忙ななか、日本共産党参議院・山添拓議員が駆けつけていただき、4月13日消費者問題特別委員会での質疑の内容を報告。また、日本共産党衆議院・畑野君枝議員から4月3日同委員会での質疑をメッセージとして寄せられました。また、学校牛乳異臭事件の原因を求めた新宿区日本共産党沢田あゆみ区議が教育委員会の質疑の模様を報告。株式会社明治の「企業倫理を問う!」とした取材を担当した「ZAITEN」誌ジャーナリスト田中幾太郎さんが取材記を報告。
明治乳業争議解決を担当する弁護団事務局長・金井克仁弁護士が経過と到達を報告し、解決に向けた支援を呼びかけました。
 参加者から激励・連帯挨拶が、全労連・野村幸裕副議長、東京地評・荻原淳議長、日本婦人団体連合会・柴田真佐子会長、全国農民運動連合会・笹渡義夫会長、JAL乗員原告団・清田均事務局長から解決に向けた労使の話合いが進められていることを報告など、各界の運動の取り組みと明治乳業の異常極まりない経営体質を厳しく問いただし、明治乳業争議を一刻も早く解決をつくり出すため共に支援していくことなど話されました。この集会には74団体146名が参加されました。



5.明治グループ役員宅訪問 7月13日、7月21日
 明治グループ役員宅訪問を継続してきています。明治乳業争議団・市川工場に働く32名が、賃金昇格差別是正を求め都労委に申立てした1985年に社長であった島村靖三名誉顧問宅を初めて訪問しました。当時の島村社長は、日経連常任理事を務めていたことが調査の中で判明しました。この時期の日経連の主な役割は労働組合対策に本腰をいれ、ナショナルセンターを分断する使命をもって取り組んでいたなか、当然ながら島村社長も労働組合、労働者管理の先頭に立ち賃金差別・人権侵害回復求め立ち上がった争議団に対する敵対政策を掲げ、後継者の社長に伝承させてきた。後を引き継いだ中山悠社長(労働組合中央執行委員長履歴・現名誉顧問)から浅野茂太郎社長(市川支部支部長履歴・現名誉顧問)更に、川村和夫社長(中山社長時代秘書、労働組合中央執行委員長履歴・現明治HD社長)といった歴史を辿っています。それぞれの時代に争議解決の時期チャンスがありましたが、ことごとく話合い解決をかたくなに拒み続けてきています。
 その様な状況を踏まえ、初めての訪問になります島村靖三名誉顧問宅を訪問し、当人と直にお会いすることが叶い争議解決に向けて名誉顧問として、また争議当時、社長の立場であったことからも争議解決に向けてのご尽力を求めてきました。その他、明治製菓出身の明治ホールディングス株式会社松尾正彦社長宅(現・会長)、同・川村和夫社長宅訪問はいずれもインターフォンにも応じていません。浅野茂太郎名誉顧問宅では、名誉顧問の妹さんが応対していただきました。
中山悠名誉顧問宅では、この間、奥様が真摯に毎月応対していただき要請書・資料を受け取り双方感じていることを話し会っています。

6.第33次座り込み行動 (株)明治(京橋エドグラン) 7月23日
 猛暑の続く日中を避け、夕方5時から6時の時間帯に変更し14団体33名の参加で実施しました。行動に先がけて、株式会社明治と親会社明治HDに真摯に申入れを受け容ならば、直ちに座り込みを中止することを前提に行いました。しかしながら、受付に於いて今回も双方とも担当者が居ない等との理由をもって拒否してきています。
 座り込み行動で、東京地裁民事19部第7回口頭弁論(7月5日)に於いて、春名茂裁判長は、原告(全国9事業所32名)らが申請した4名の証人を何らの理由も示さず不採用とし、結審・判決日11月29日午後1時10分とした訴訟指揮を執ったことを報告しました。
 争議団・支援共闘会議は、中労委主文・棄却の取消しを求めての行政訴訟です。書面審理となりましたが、長期にわたるこの争議の解決に役立つ判決を求め地裁への要請を含めて、最後まで奮闘することを支援者の皆さんと共に決意しました。

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