2月活動レポート
(3月11日)

1.一人の首切りも差別も許さない 東京争議団・東京地裁高裁共同宣伝 2月7日

明治乳業事件は典型的「不当労働行為・差別事件」
  ―単年度のみでは事件の全容は見えてこない―

主文「棄却」の見直しせまる「継続する行為」「累積する格差」が争点
 明治乳業差別事件は、昨年、春名裁判長の勇断とも言える積極的指揮による「和解勧告」が、会社・明治のかたくなな拒否によって不調に終わりました。だが、中労委命令が明確に判断した「不当労働行為と差別の存在」、さらには和解への筋道を示した「付言」の内容は、いささかも否定されるものではなく、いまも輝きを増しており今後も裁判闘争の重要な柱となるものです。
 しかし一方で、中労委命令は主文で「棄却」としました。この事件を「継続する行為」にあたらないとして、単年度のみを審査対象とし、その範囲内には不当労働行為も低査定による格差もないとして切り捨てたのです。
 今後、地裁審理の争点は、中労委が否定した、●人事考課比較の不当性●申立期間・「継続する行為」の考え方の誤り●「累積された格差の将来に向けた是正」に対する誤りにあります。原告らは、この中労委「棄却」の克服こそに全力を傾けるものです。

年間差別97万円・昇格13年もの遅れ いまも年金に反映の生涯差別
 この差別事件は、昭和40年前後から原告ら集団を敵視・嫌悪した会社・明治が本社主導のもと計画的・組織的におこなった不当労働行為であり、それは原告らが退職するまで終始一貫して続けられてきました。
 原告らの差別賃金額は年収平均で97万円にも。月例金額に換算すれば4〜5ヵ月分の給料になる大きな格差です。
 職分では、順調昇格者に比べておよそ13年もの遅れがあります。1職分を普通6年で上がるのに原告らは20年も30年もかかっています。入社時の下位職分のまま42年間、1ランクも上がることなく定年退職を迎えた原告もいます。
 これは、会社が言う個人の能力の問題ではありません。意識的な排除・差別の結果なのです。この格差は年金にも反映し生涯差別となっています。なんとしても見直しを・・・。

2.明治HD・浅野茂太郎相談役(10日)、株式会社明治・川村和夫社長、
  明治HD・松尾正彦社長、株式会社明治・中山悠名誉顧問宅要請訪問(2月17日)

 4役員のなかで唯一人、寒い中奥様が門扉まで出てこられて要請書内容をしっかりと聞いてくださり、要請書を受け取っていただきました。4月26日第6回口頭弁論期日までに双方の書面が出そろい、争点が整理されこの事件の扱いへの訴訟指揮なされ、重要な期日を向けえることになります。
 この事件は、島村靖三社長に始まり、52歳の若さで社長・中山悠氏が引き継ぎ、浅野茂太郎氏、そして現在は、中山社長時代男秘書を務めていた川村和夫氏が社長に就いていること。それぞれの社長時代に解決への機会があったにも関わらず、誰一人として自ら解決に踏み出すことなく33年の長期争議になっていることを振り返っていただきたいと。是非、ご主人にお伝えくださいと要請を行ってきました。
 その他一宅は完全に留守の様子でしたが、二宅は居留守の様子が伺え近隣の皆様方には、ご迷惑を承知で争議を知らせるチラシをポスティングさせていただきました。
 役員宅訪問は、解決するまで粘り強く継続し解決の決断を求めていきます。

3.第28次座り込み行動 株式会社明治(京橋エドグラン)2月19日
 東京地裁第5回口頭弁論が開催された後、株式会社明治(京橋エドグラン)に移動し第28次座り込みを実施しました。この座り込みには、裁判に参加してきた原告らが受けた不当労働行為・差別の実態や定年後も、差別金額が年金にも影響を受けていることなどの訴えを行い、長期争議の解決を拒み続ける明治は許せないと支援者への支援と会社明治に対し声を上げました。

【座り込み参加者、通行人の皆さんに以下の内容チラシで訴えました】
何を喰わせれば「ガソリン臭」がするのか 酪農家農民 ”怒る”明治学乳異臭事件
 集乳エリア 茨城県西ステーションと特定 生産者に何の原因報告も打診もなし

 昨年9月、明治戸田工場製造の学校給食用牛乳に異臭が発生した事件で、同工場は原因について「生乳は気温、湿度、与えるエサなど飼育環境により…」と断定。対策として当該生乳の受け入れ先(A地域全集乳コース)に対して「生産者団体を通して原料乳供給元における生乳の風味に対する管理強化を要請」するなどと表明しました。しかし具体的集乳エリアについては開示を控えるなどと隠ぺいに徹してきました。
 これに関して2月7日に開かれた、新宿区議会の文教子ども家庭委員会で生乳の受け入れ先は「茨城県西クーラーステーション」であると特定する報告(教育委員会担当者)がありました。
 同地域に対する指導、要請はどうなっているのでしょうか。この地域の酪農家、農民にその話を伝えると「何の連絡も要請もきていない」といいます。

被害者との約束違反 社会的背反行為
 明治は、指導・要請し品質向上につなげるなどといいながら「原因」とする生乳エリアに事件の発生や今後の対応など何も話していないことになります。これは被害者との約束違反であり社会的背反行為のなにものでもありません。明治の異臭事件に対する「本気さ」が問われており、真の原因をいまだに隠しているなどの疑いも浮上します。
 はお、現地酪農家は「何を喰わせればガソリン臭・塩素臭がするのか」と怒りの声を上げています。

容器変更で安全担保できるか
 学乳異臭事件で大きな被害をこうむった新宿区は、いまだに明治の説明を納得できないとしています。都内の多くの区が異臭を発した壜牛乳から紙容器牛乳に切り替える動きが出ていますが、新宿区では切り替えるだけで「安全が担保できるのか」など明治にたいする不信が払拭されていません。



4.プリマベラ合唱団第10回コンサート+連帯合唱団に参加「星霜」を歌う 2月25日
 千葉県うたごえ協議会・プリマベラ合唱団が第10回コンサート「輝け!憲法」を掲げ市川市文化会館(小ホール)において2月25日開催されました。
 プリマベラ合唱団塙団長からの呼びかけで、明治乳業争議団歌「星霜」、JAL争議団「翼よ 高く輝け」と「人間の歌」3曲を「連帯合唱団」を構成して、第3部ステージで争議団の心意気をこめて歌ってきました。また、不二女子高等学校の皆さんが憲法の重要な条文を台本なしで朗読され、憲法に保障されている平和や生活権などなど考えを新にさせられました。
 プリマベラの皆さん、貴重な機会を与えていただき感謝いたします。

【星霜歌詞】
1.幾年月ささやかに 幾年月したたかに
  故郷の満天の星が 分け隔てなく降るように
  汗を流し懸命に働く 仲間が幸せつかめるようにと
  生きてきた人の道を 切り裂いた差別
2.幾年月笑いながら 幾年月涙して
  降り注ぐ春の日差しが 分け隔てなく包むように
  汗を流し懸命に働く 仲間が幸せつかめるようにと
  生きてきた人の道を 切り裂いた差別
3.幾年月学ぶ中で 幾年月真実を知り
  打ち寄せる波の飛沫が 訳隔てなく広がるように
  汗を流し懸命に働く 仲間が幸せつかめるようにと
  生きてきた人の権利を 取り戻す勝利


  

5.国民生活センターに要請 2月28日

独立行政法人国民生活センター
松本恒雄 理事長様
全国労働組合総連合  議長 小田川義和
明治乳業争議支援共闘会議  議長 松本  悟
明治乳業争議団       団長 小関  守

 内閣府と明治の共同研究(チョコに脳若返り効果)は、裏づけデータ不十分との指摘で検証中、結果の公表、責任の所在と謝罪を内閣府と明治に求めること。また、高カカオチョコのリスクを国民生活センターは消費者に再度周知徹底すること。

 貴職におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
農林水産省が食の不祥事を一掃するため、「食品業界におけるコンプライアンスの徹底」(平成24年5月11日付け)を度々求めているにも関わらず、(株)明治は、2000年以降、ハサップ違反などの食品事故36件、死亡事故7件、解雇争議など12件を引き起こしています。

 私たちは、明治HD傘下の(株)明治に対し、食の安全と社員の人権を尊重する社会的責任、コンプライアンスを遵守することを求めて運動しています。(株)明治の不祥事多発の背景には、中労委と東京地裁が和解解決を求めている33年に及ぶ明治乳業賃金昇格差別争議(以下、単に明治乳業争議)を話し合いで解決しない異常企業体質があります。

  1. 「山川氏と明治は今年1月の中間報告で、「高カカオチョコレートに大脳皮質の量を増やし、学習機能を高める(脳の若返り)可能性があることを確認した」と大々的に発表した。」「しかし、チョコレートを食べていない人との比較がないなど科学的な裏付けが十分ではなく、専門家などから問題視する声が上がっていた。」
     なぜ、根拠がないものをテレビや新聞で大々的に発表したのか、内閣府と明治に説明を求めること。
  2. 内閣府は「経緯や手法が適切だったか専門家の意見を踏まえて調べる。結論が出るまで研究の停止を求めた。」とのことであるが、結論は年度内に報告すると回答している。 結論が出るまで(株)明治のチョコレートCMを自粛するとともに、消費者に対しテレビ、新聞などでこの間の経緯を明治に説明するよう求めること。
  3. 「研究では、カカオ成分の多いチョコレートが大脳皮質の量を増やすか調べる際、食べなかった人とは比べず、チョコを食べた30人のデータのみで「学習機能を高める(脳の若返りの)可能性がある」と発表していた。
     こんな幼稚で杜撰な研究の予算と支出を明らかにすること。また、検証の結果、「脳の若返り」効果がない場合は、研究に携わった明治と内閣府は、責任を取り、テレビで謝罪するとともに予算を国に返却するよう求めること。
  4. 【明治ホールディングスは11月8日、2018年3月期の連結純利益が前期比6%増の645億円になる見通しだと発表した。健康志向の高まりを受けてカカオ含有量が多い「チョコレート効果」「明治ザ・チョコレート」の販売が好調(2017/11/8 日経)。】
     このように、内閣府と明治の共同研究で「脳の若返り」効果をテレビ・新聞で大々的に報道したため、販売好調になったということは間違いない。これは、消費者を騙す行為であり断じて許されません。内閣府と明治は、騙されて購入した消費者にテレビで謝罪するよう要請すること。
  5. 「明治は、多くの人の信頼を失ったのではないか。私は、企業のコンプライアンス上、問題があると考える。日本の法律に違反しているわけではない。けれども、食品の安全性や品質等を支える科学の普遍的ルールを大きく逸脱し、宣伝に利用した。私は、科学ジャーナリストとして、明治という企業への信頼を持てなくなった。もともと乳酸菌の宣伝などにも疑問を持っていたが、決定的になった。内閣府や理化学研への疑念は当然、書くまでもない。「zakzak by 夕刊フジに出た1月18日の記者発表の記事の写真をとくとご覧あれ。内閣府参事官、理化学研究所のセンター長まで加わり、にっこり。お墨付き!」。
     ( 松永 和紀 科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体  FOOCOMより転載)
    「(株)明治は、企業のコンプライアンス上、問題があると考える」との指摘に対し、明治が回答するよう求めること。また、「内科医のNATROMさんが検証し4月13日、自身のウェブサイトで見解を示した。「ニセ科学」という判断」に対し、内閣府と明治に回答するよう求めること。
  6. 独立行政法人国民生活センターは、高カカオチョコレートのリスクについて、再度消費者に周知徹底すること。

以上

 要請書の中、各報道関係の添付記事資料は省略させて頂きました。

 要請を受けてくださった広報担当課の方は、初めて知るところもあるので検討研究させて頂きますと応えて頂きました。

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