8月活動レポート
(9月2日)
1.東京地裁共同宣伝 8月2日
中労委命令(2月17日)を受け、命令取消し行政訴訟を東京地裁に提訴(4月6日)しました。
毎月東京争議団が裁判所前で、「一人の首切りも差別も許さない」の一点で共同宣伝をしています。明治乳業争議団も5月から参加し中労委命令の内容と(株)明治の経営姿勢を厳しく告発しています。
明治乳業差別事件は7月12日、第2回口頭弁論が開かれ、この中では今後の進展が速やかに進むであろう積極的な指揮が執られました。
原告側は、この弁論前の7月5日、提出を予定していた「準備書面AB」の全てを一気に出し切り、合せて早期審理と早期解決に向けた訴訟指揮を要請しました。
これを受けて春名裁判長は、被告中労委と訴訟参加人である会社に対し反論書面の提出を9月4日までとし、その直後の9月7日に3回目の口頭弁論を開くことになりました。
原告らは今後、被告中労委も早期解決を強く求めている案件であることを踏まえ、会社・明治に対して早期終結に応じざるを得ない状況をいかに作り出すかが焦点であるとして運動を強めていく決意です。
2.中労委共同宣伝 8月9日
毎月東京争議団が中労委前で、「一人の首切りも差別も許さない」共同宣伝も2年半を積み上げてきています。勝利命令を勝ち取った東京私教連鶴川高校も学園側が行訴した関係からいまも共同宣伝に参加し中労委に向けた報告を行っています。明治乳業争議団も、主文「棄却」の誤りを指摘し、又「付言」の立場で明治に解決を迫る後ろ盾になっていただく立場から争議団の地裁闘争の位置づけを表明する宣伝に参加しています。
東京地裁に提出「継続する行為」「累積する格差」この見直しこそ「主張書面」の真意
中労委命令は明治乳業事件を「継続する行為」に当らないとして、該当年度には格差も不当労働行為もないと否定。よって累積格差の一括是正をも退けました。
原告側が先に提出した「準備書面」では、中労委が否定したこの誤りを論破しています。「準備書面(2)」では、●集団的賃金昇格差別事件の発生と背景及び新たな法的問題への直面●原命令の除籍期間についての判断の誤り●累積した職分・賃金格差の一括是正を否定した誤り―などについて判例や労働法学者の論説などを引用して中労委判断の誤りを総合的に、また詳細に明らかにしました。
この提出書面が今後、地裁判断の基軸になりますが、当面、早期話し合い解決に向けた裁判長の心証形成に役立つ「準備書面」であることは確かです。
3.筆頭株主みずほ銀行、大口株主数社を訪問
6月29日明治HD第8回株主総会ならびに、全国事件東京地裁第2回口頭弁論期日を受けて、争議解決をめざすためにはここ一番「筆頭株主・大口株主」からのお力添えをいただくために、みずほ銀行筆頭株主、他大口株主へ伺い懇談してきました。
また、月刊誌「ZAITEN」誌を持参し、「明治HD消費者無視の労務屋経営」のタイトルで特集が組まれていることから1冊提供してきました。
〔以下要請書を紹介します〕
みずほ銀行本店
2017年 8月9日
株式会社 みずほ銀行
代表取締役頭取 藤原 弘治 殿
明治乳業争議支援共闘会
議 長 松本 悟
明治乳業賃金・昇格差別撤廃争議団
団 長 小関 守
要 請 書
━━ 長期に及ぶ明治乳業争議の全面解決に向け筆頭株主の真価が問われる局面です
解決への道筋を示した中労委命令に基づく東京地裁の訴訟指揮で解決局面を━━
貴社が筆頭株主の(株)明治「全国事件」への中労委命令から約6ヶ月が経過します。
この間私たちは、主文「棄却」としながらも、職分・賃金格差の存在を「紛れもない事実」と判断をし、不当労働行為についても会社の関与を丁寧に認定した上で、「非難を免れ得ない」と断罪したことを踏まえ、(株)明治及び明治HDに対し解決交渉を求める申入れを行っています。同時に、明治HD第8回株主総会(6月29日)においても、事前質問書への極めて不誠実な回答を踏まえ、早期解決への決断を強く会社に求めた中労委命令を前提に議場発言を行い、厳しく経営陣の姿勢を質しました。
会社は中労委命令に対し、「付言には法的効力はない」等と開き直りの答弁を行う一方、これまでのように「不当労働行為も差別もないとの判断を頂いています」とは言えない等、命令によって潮目が変わる局面に追い込まれていることは明らかです。
私たちは、主文「棄却」の取消し訴訟を東京地裁で闘うなかで、中労委命令の全面解決を示唆した積極的な部分、すなわち、先行した市川工場事件を含む申立人ら集団に対する不当労働行為を、各工場の事実関係に踏み込んで丁寧に認定・判断したこと。
また、格差(差別)の存在も、申立人ら集団と他の集団の比較によって明確に認定・判断したこと。これらの事実が、除斥期間によって「救済年度(平成5年)の不当労働行為」とは判断できないが、「付言」のなかで事件全体に対する中労委の判断を明確にし、全面解決への道筋を会社に厳しく提起したこと等の積極面を踏まえ、東京地裁に対し被告中労委が明確にした事件への心証を前提とした訴訟指揮を強く求めています。
東京地裁では第2回口頭弁論期日(7月12日)において、原告ら主張書面の提出終了(7月5日)を受け、被告中労委及び訴訟参加人会社の反論書面の提出期日(9月4日)が決まると同時に、第3回期日が9月7日に設定されました。さらに、第4回目となる10月2日の期日において進行協議が予定される等、今秋には裁判長の本件に対する心証を踏まえた訴訟指揮が予測される、極めて重要な局面を迎えることになります。
まさに、争議解決に向けた筆頭株主みずほ銀行の真価の発揮が求められる局面です。
以上
合わせて明治HDを取り巻く情勢資料を手渡し報告もしてきました。
1)明治HD経営統合による相乗効果が未だ発揮できない問題
@営業最高益、純利益は(−2.9%) 29年3月期決算(2017/5/12日経)
A30年4〜6月期決算 売上げ0.1%増、純利益1.9%増
・同期主力製品の動向ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム等対前年減
Bみずほ証券は投資判断「買い」から「中立」に引き下げ
・目標株価は1万1300円から1万100円に引き下げた
2)食品事故と争議の原因を「院政」と月刊誌「ZAITEN」が指摘する問題
「明治HD「消費者無視」の労務屋経営」
「消費者目線なき企業に問われる食品企業の倫理観」
@長期独裁が生んだ“歪人事”の系譜
A「明治R-1ステマ問題」電通に屈するテレビ局
・正規のコマーシャルではなく、旅番組や食の番組に忍ばせ商品をアップ
B明治の“十八番”「トクホもどき」の姑息商法
・チョコレートを食べると「脳が若返る」と科学的検証不十分の利益優先商法
Cネット編集者が語る「食品会社『ステマ』が溢れるネットメディア」
3)食品一般ユニオンがILOに申立て受理される
@日本国内のいくつもの工場で労働組合の指導者や組合活動の権利をおかす結社の自由を侵害することに対する2017.2.16と2017.4.26の申立書を確かに受け取りました。
Aその文面には、長期にわたるこの争議解決のために会社との直接交渉や法的手段に訴えることも書かれていることも確認いたしました。
Bときょうは申立書に描かれている事柄にについての所見を提出するよう日本政府に働きかけることといたします。
C当局のこの働きかけに対して送られてくる日本政府の情報は皆さんに送られることになります。
4)明治をめぐる購買力の厳しい情勢は先行き不透明
@取引をしている一つのドン・キホーテが500店舗拡大20年までに売上高1兆円に。
明治の営業マンは、安売りのドン・キホーテに手を出すようでは、益々利益が上がらない商売になってしまうと指摘。
A大手量販店セブン&アイ、イトーヨーカドー20店舗閉鎖の方針からこの方面でも利益減少が見込まれる。
B西友が466品目値下げの中に、食品も平均6〜10%含まれここでも利益減少が見込まれる。
※資料から見る明治を取り巻く情勢説明に、筆頭株主も大口株主の方々一様に重く受け止めていただいたようです。
4.株式会社明治「第21次」座り込み行動(京橋エドグラン)8月22日
12時〜13時まで「座り込み」行動を29団体50名参加の中、株式会社明治、明治HDに対し「申入れ」を行いました。冒頭、真摯に受けられるならば直ちに座り込みを取りやめることを宣告しました。しかし、双方とも一切応じることのないまま拒否し続けています。
第21次座り込み行動主催者として明治乳業争議支援共闘会議松本議長の挨拶を受け、連帯激励に駆けつけていただきました国公労連特別顧問・宮垣さん、昭和シェル労組・辻さん、JAL乗員原告団・福永さん、申入れを行ってきた食品一般ユニオン副委員長・斉藤さん、元松蔭学園争議団現東京争議団サポーター・寺島さん方々から、明治は中労委命令に従い直ちに話合いで解決を行えと呼びかけていただきました。
争議団を代表して小関団長から、本日も暑いさなかの行動に参加された皆さんにお礼の一言と、明治に向かって中労委命令後東京地裁で口頭弁論が進み、原告の主張を全て提出のなか、被告中労委、訴訟参加人明治からの反論主張が9月4日に出そろうことになり、9月7日第3回口頭弁論で重要な訴訟指揮がなされる運びだと地裁進行を報告し、なんとしても明治が話合いでの解決に向き合うように、この社前行動を含めて運動を強めていきたいと決意。この行動終了後、ご迷惑をかけている京橋エドグランの中で営業されている店舗に「ZAITEN」誌を持って、明治の経営姿勢とこの座り込み行動の意義づけをお届けしていくことを申しあげました。
行動後、京橋エドグラン店舗と周辺に14店へ訪問し手渡し、後日9店舗にお送りさせていただきました。
5.明治HD・株式会社明治の関係役員宅訪問要請を継続中
33年目の長期争議の自主解決を求め、毎月の「座り込み」行動の中で「申入れ」を行っていますが、真摯に応えることなく「拒否」し続ける姿勢のために、やむなくそれぞれの役員宅訪問になっている行動なのです。
@株式会社明治・川村和夫社長宅 8月19日
・杉並区宮前マンションに居住。一度だけ奥井様とお会いできましたが、その後呼び
出しチャイムを押しても応答せず無視を貫き通しています。
中山悠氏が社長時代に秘書を務めていた川村和夫さん、今だ、中山さんの背中を見
ているようです。
A明治HD・浅野茂太郎相談役宅訪問要請 8月26日
・松戸市幸田に居住。相談役夫妻はお出かけとのことから、この度は、妹ですという
方が出てお話しを聞いていただき要請書も手渡すことができました。
浅野相談役は、市川工場事件での直接な当事者です。
B明治HD・松尾和彦社長宅訪問要請 8月27日
・横浜市金沢区に居住。昨年の明治HD第7回株主総会前には、事前に訪問する時期
をお知らせし奥様が応対していただいていましたが、7回総会で事実上の経営者ト
ップに身を置くようになってからは、一切居留守を通しています。
C株式会社明治・中山悠名誉顧問宅訪問要請 8月27日
・横浜市栄区に居住。5月、7月に引き続き奥様とお話しをすることができました。
先月お渡しした「ZAITEN」誌を読んでいただけましたかの問いかけに、一方
的な記事ですね。大変な思いで仕事をしてきましたがこれっぽっちもお褒めの言葉
もございません。主人はとっくに現役を退いていますので会社とは一切関係ござ
いません。ことに「九州男児」ですから一度決め込んだらダメな方ですから。
ZAITEN誌は事実背景を調査されて書かれていますよ。
特に、社長時代に争議解決を求めて何度も訪問してきました。今は、名誉顧問で影響力をもっておられるとお聞きしています。ご主人が社長時代、今の川村社長は秘書を務められていた方ですので、是非争議解決への手立てをお伝え願いたいと思っています。ご主人と直にお話しをしたいのですが。今日は朝から体調が優れないと言って横になっています。と話されていました。
今後も、本社で真摯に申し入れに対し、応じないならば訪問を継続せざるを得ない
ことを申し上げておきます。 |