3月活動レポート
(4月1日)

1.株式会社明治 事業所宣伝
 3月14日 坂戸工場 、3月16日 戸田工場前で宣伝・解決に向け申し入れを行いました。
 東京都労働委員会のあまりに異常・不当な命令の見直しを求めて再審査申立てをしていた明治乳業差別「全国事件」に、中央労働委員会が交付した命令は「申立てをすべて棄却する」という不当なものでした。
 しかし、命令書では「付言」として会社に強く紛争解決をうながす異例のコメントを発しました。このなかでは申立人らが一貫して主張してきた、会社のインフォーマル組織への関与を認め、かつては職分・賃金格差が歴然と存在していた事実を特記しています。
 中労委が過去の判例を投げ捨てた「棄却」命令自体は断じて許されるものではありませんが、示された「付言」は今後、全面解決へ向けた足がかりを提唱したものといえます。 会社・明治は中労委命令「付言」に応えよ! 申立人らは、中労委のコメントを真摯に受け、争議の全面解決をめざした努力をするものです。
 竃セ治と明治HDには、この「付言」が会社に対して強く求められていることを正面から重く受けとめ、いたずらに長期化することなく早期に争議解決の席を設けることを訴えました。
 特に、戸田工場で差別されてきた4名の申立人がいる関係から、工場長に対し申し入れを行いましたが、不在と云う理由から受け取りを拒否されたために、後日郵送しました。



2.3月15日 中労委共同宣伝実施
 不当労働行為、差別・格差を認定し「棄却」はあり得ないと厳しく抗議すると同時に、一方、命令の「付言」の意味は最低限の中労委の良心の現れと捉え、行訴になった折には中労委の努力を求めました。
 明乳争議団は、2月17日命令が交付された一ヶ月後の共同宣伝になりました。命令は「申立てをいずれも棄却」するという不当なものでした。これは申立人らの年間平均97万円にもおよぶ大きな賃金差別と、基幹職1級への昇格が13年以上も遅れている職分差別を不当労働行為にあたらないとする許しがたいものです。
 その根拠として中労委は、継続する行為にあたらないとして単年度のみを審査対象としているが、これは同委員会が過去、積み重ねてきた救済判例を投げ捨てたものです。かつて東芝事件、昭和シェル石油事件などの命令とは180度の転換ですが、命令文の中には何故変更したのか、何故明治乳業事件だけが逆なのかについては何の説明もなく納得できるものではありません。
 反面、命令は、都労委命令を見直し格差や不当労働行為の事実を認めているのです。認定しながらなぜ結論で救済を放棄したのか、この不可解な命令に怒りを覚えるものであり、申立人らは断固抗議するものです。
 一方、命令は、結論の前に「第5・付言」として紛争の早期解決を「殊に会社」に求めました。これは欄外の付け足しではなく、歴とした命令文の一部であり大きな重みを持つものです。
 異例ともいえるこの「付言」は、中労委の労働者救済の府としての良心が「何としても」の思いで記したものではないでしょうか。
 申立人らは、この付言と不当労働行為認定の事実を真摯に受け、話し合いをかたくなに拒否してきた会社に対し紛争解決を迫っていくものです。先行した市川工場事件をも合わせて起草されている付言は、解決への運動の力にしていきます。



3.第15次座り込み行動
@一日目
 氷雨の降る中での行動になりました関係から、約40分の座り込みの位置づけを訴えて終了させました。雨の中にもかかわらず10団体25名も集まっていただきました。

A2日目 
 春の陽光が降りしきる中での行動になりましたが、北風がやや強いために「解決を強く求めた中労委の命令に従い(株)明治に話し合いを求めます」の横断幕は掲げることはできませんでしたが、仲間の遺影を手に掲げ11時から13時まで整然と「明治よ!今こそ紛争解決のとき、中労委命令に応えただちに決断を」と、特に、これまでの会社明治は、以前より争議に関連しては「第三者機関の判断に従う」ことを一貫して主張し、自主解決を拒み続けてきました。しかし今回の中労委命令はその根拠を失ったものです。明治HD・竃セ治には、出された「付言」を謙虚に受け早期に話し合いに応じることを、参加者29団体45名それぞれが意思表示を示し、松本支援共闘会議議長はじめ、東京委地評常任幹事・菊池さん、国公労連常任顧問・宮垣さん、航空連本部書記長・竹島さん、JAL乗員原告団団長・山口さん、明乳争議支援千葉県共闘会議議長・高橋さん、明乳争議支援する会:戸田地区労議長・横田さんの皆さんからも改めて強く訴えられました。

中労委命令 第5「付言」全文紹介
 本件の労使紛争及びこれに関連する事情等として、次の点を指摘することができる。
 昭和40年代において、会社の施策に賛同する当時の職制らが、市川工場事件申立人らや本件申立人らに対し、同人らの信条や組合活動等を理由とする誹謗中傷と評価されるのもやむを得ない活動を行っていたことは既に認定したとおりである。そして、会社は、信条や組合活動等を問うことなく、従業員を公平・公正に取り扱うべき義務を負っていたにもかかわらず、少なくとも会社内で責任ある地位にあった職制らの上記活動を抑制することはなかったという限度においては、非難を免れ得ないところである。また、昭和40年代から昭和50年代初頭における査定の結果とはいえ、市川工場事件申立人ら及び本件申立人らとその他集団との間に職分格差(その帰結としての賃金格差)が存在していたのは紛れもない事実である。さらに、昭和60年に市川工場事件が申し立てられ既に30年余りが経過し、労使紛争が極めて長期化していることに加え、前記第3の9で摘示した39件もの関連する後続事件が都労委に係属するなど労使紛争が深刻化し、この間、市川工場事件申立人ら及び本件申立人らのうち12名が死亡している状況にある。
 上記で指摘した事情からすれば、本件の労使紛争による関係当事者の物心両面の損失は大きいものといえ、また、今後も紛争の続くことによる負担やコストの増大も避け難いことは明白といえる。このように長期化し、深刻化した紛争を早期に解決することが当事者双方に強く求められるところであるが、そのためには、当事者双方の互譲による合意をもって紛争の全面的解決を目指すべきことは自明の理である。当委員会は、当事者双方に対し、そのような解決に向けた対応を求めるものであり、殊に会社に対して、より大局的見地に立った判断が強く期待されていることを指摘しておくこととする。

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