12月活動レポート
(1月10日)

1.12月1日 全労連・東京地評争議支援総行動
 11月から株式会社 明治本社業務が「京橋エドグラン」ビルに移動し稼働、これから首都圏本社業務を集中させることから明治HDも移動する。
これまでの明治HD京橋ビル前での行動をこちらに変更し行いました。
また、明治ホールディングス社前においては、いつものごとくビル周りをバリケードで囲い警備員を多数配置して構えていました。

争議解決求める抗議・要請行動の主催者挨拶として、東京地評事務局次長・屋代さん
 32年もの長期争議は経営者の判断努力をもって解決が望ましい。解決させるために今日参加されている各団体と共に総力を挙げて支援する。

連帯挨拶の松本さん(千葉労連顧問・明乳争議支援共闘会議議長)
 1月から明治HDにたいし、座り込みを継続する中で浅野茂太郎現相談役、松尾社長に解決を求めて来ました。しかし、元明治乳業社長中山悠が名誉顧問として残り「院政」を敷いているので、そのことが争議解決を作り出せないでいる。この新しいビルの中で仕事をしている皆さんにはご迷惑かけるが、この場所でこれからも行動をしていきますので解決までよろしくと了解を求めました。

伊藤さん(埼労連議長)
 埼玉には、明治戸田工場で働いてきた4名がたたかっています。工場の中では仕事差別、賃金差別が横行し、ましてや若い女性労働者が機械に挟まれて圧死するなど放っておけないズサンな経営姿勢を埼労連としても、4名をしっかり支え解決に向けて共にたたかうと表明されました。

柴田さん(日本婦人団体連合会会長)
 婦人団体また消費者として、この明治に対し、放射能に汚染された学校給食用牛乳や粉ミルクを飲ましていたことに原因と対策を求めるために要請に伺いましたが、会ってお話しを聞くこともしなかった明治は食の安全・安心をどの様に消費者に説明できるのでしょうか。安心して利用できないことにつながっていきます。食品企業として労働者の権利と消費者の安全を求める権利を保障していただきたいと訴えられました。

小関団長から参加者へのお礼と決意
 「京橋エドグラン」で営業、会社運営されている方々には、甚だご迷惑な行動であることは百も承知、半世紀に及ぶ明治乳業からの人権じゅうりん、差別を受け続けその是正と解決を求めている。止むにやまれぬ人生かけたたたかいであり、是非ともご理解をいただきたいと訴えました。
そして今たたかわれている全国事件は、中労委からまもなく出される命令は救済命令であることに確信をもっている。
基本的には、話し合いで解決する事をこれまで一貫して運動を通して訴え求めてきました。中労委からの命令を機に全面解決を求める運動を更に広めていく決意です。勝利解決に向け更なるご支援をと訴えました。

 要請団5名は、2階の総合受付に出向いたところにビル管理会社の社員が、争議の事は承知していますご迷惑ですから警察を呼びます等と。どうぞ呼んでください私たちの宣伝行動に対し警視庁から謝罪の言葉をいただいていることを話すと、そのことも承知していると言っていました。
株式会社明治の受付が据えられていたので、面会を申し入れると、担当部署に確認電話をしていましたが不在ということから下がってきました。



2.12月20日 株式会社戸田工場宣伝
 12月20日、隔月宣伝になりますが戸田工場前で12時から13時まで、北区労連、戸田地区労、戸田地域、川口地域、争議団等16名参加で行ってきました。
 荒川土手側から工場にマイクを向け、戸田地区労・横田議長はじめ北区労連・野中さん、当該から矢口、杉山各々から、中労委からまもなく命令が出される重要な年明けを迎える。全面解決のために工場で働く皆さんの支援をお願いします。
 また、全面解決を求めて明治HD・株式会社明治などが本社業務を集中させるため、「京橋エドグラン」ビルに入ったことから、これまでの明治HD京橋ビルに替わって12月1日全労連・東京地評争議支援総行動を行いはじめ、21日、22日の座り込みも争議解決を求め行っていくことを報告しました。
 また、道路を挟んで工場門扉の所に立ちチラシ配布も行ってきました。



3.12月21日 中労委共同宣伝
 毎月第3水曜日行っています共同宣伝が12月21日行われました。
 中労委共同宣伝は、すでに中労委から救済命令をいただいた東京私教連鶴川高教組と同じく救済命令の茨城私教連土浦日大の事件も合わせて報告。公務公共一般労組からは、東京都の団交拒否事件と委員長解雇事件に関して報告。全労連・全国一般昭和ゴム労組は、悪徳APFファンドの降格処分などの実損回復裁判で全面的に勝利和解を勝ち取ったなど喜ばしい報告。
 明治乳業争議団は、命令作業が最終盤の極めて重要な局面を迎えている。年度内にも出される命令は、救済されるものと確信をもってこれまで審査課に要請を行ってきました。同時に会社に対し、社前での「座り込み行動」を通して、経営者の自主的判断による解決を求め、本日と明日第12次にわたる座り込みのことも報告しました。中労委からの救済命令を信じて頑張っていくと要請発言をしました。

この事件は「大量観察方法(修正)」で判断し集団間格差を明確にするべき案件です。
 どちらの集団にいようがどの職分にいようが同じ仕事をする、集団間の均質性は充分確保されている。
中労委審査で申立人側は、都労委命令が放棄した「大量観察(修正)方法」に基づく認定・判断を前提にした立証をやりきりました。これは審査の「争点」にも添う重要な到達点であると確信します。ここでは、その判断要件の一つである「集団間の均質性」についての実態を整理してみます。

同じローテーション 同じ仕事 一人で交替勤務も
 申立人らも他の労働者集団も、飲用牛乳などを製造する工場に在籍し、集団間の別扱いも職分の隔たりもなく同じラインで同じ機械を交替で運転、同じ製品を製造し出荷していました。夜勤や時差勤務では交替で一人作業もおこない、申立人らも新入社員教育に携わっていました。申立人らに勤務成績や能力が特段に劣るなどということはなく、全体として同質性や同等性は充分に保持されていました。

「明乳事件」と同質の昭和シェル事件に 高裁は「修正大量観察方式」を全面適用
 昭和シェルの「職能等級格付・昇給・昇格差別事件」は、明治乳業差別事件と同質の事件です。大阪府労委と中労委は「修正大量観察方法」に基づく判断によって救済命令を交付しました。しかし、東京地裁では一転、集団比較を認めず、中労委命令をくつがえす判決とします。
 ところが東京高裁では、組合員が極小人数であっても勤務成績や能力に同質性・同等性があるとし集団比較を肯定。中労委命令の修正大量観察方法を全面的に支持する判決となりました。
 この判決は、同一の差別事件である、当該明乳事件にもそのまま適用されてもおかしくありません。いま命令作業は重要な局面となっています。この事件で求めれれているのは都労委が黙殺した「修正大量観察方式」による救済です。

 
4.12月21日、22日両日  第12次座り込み 明治HD・(株)明治「京橋エドグラン」ビル前行動
 第12次座り込みには、2日間延べ32団体・82名参加で行いました。
12次にわたる延べ参加数は、428団体・951名です。尚、争議支援総行動人数のみを合わせると1782名がこの一年間迫っています。
 明治HD会社の対応は、いつものごとく京橋ビル周りバリケード張り巡らし、警備員を立て警戒姿勢で待ち構えていましたが、「京橋エドグラン」ビル側で座り込みを実施しました。
 一日目の座り込み準備時間帯に、管理会社の現場責任者が参られて12月1日の皆さん方の行動の際、マイクの音量がかなり高かったので今日の所考慮いただけないでしょうかと問いただしがありました。大変ご迷惑をおかけしたことには配慮させていただきますと応じその様に実施しました。
 2日目のスタート時に、管理会社から、昨日はご配慮いただきましてありがとうございましたと挨拶に見えて、名刺交換をしました。終了片付けの中現場責任者が再度ご配慮ありがとうございましたと挨拶にきました。
 私どものこの行動は、明治乳業の長きにわたる人権蹂躙、差別という人権侵害の是正のたたかいで止むにやまれぬ人生をかけた人間性の回復であるので、迷惑ならば明治に強く言っていただきたいと理解を求めておきました。
 2日間の時間帯での挨拶は、支援共闘会議松本議長、支援千葉県共闘会議高橋議長、JAL客乗原告団大池さん、賃金差別連会篠崎さん、食品一般ユニオン書記長佐藤さん、申立人福岡後藤、同愛知の野村、同京都加藤、全日本年金者組合千葉県本部安部さん、全厚生社保庁分限免職でたたかう松本さん等から連帯と各工場での攻撃の実態体験など報告されました。
 この座り込みの2日目に、埼玉合唱団の皆さんが駆けつけて歌声を通して激励をいただきました。



5.12月23日、24日、25日 明治グループ役員宅要請訪問
 毎月定例になっています明治HDグループ役員宅に出向いて、直接社長はじめ要請に伺っていますが、実現には至っていません。しかし、要請書を一読していると思っていますので、訪問している内容については重々承知しているものと受け止めています。
 この12月訪問は、23日に松尾正彦社長宅、同じく、旧明治乳業社長・会長であって、今は、株式会社名誉顧問として「院政」を敷いていると言われる中山悠氏宅を訪問しました。24日には、株式会社明治川村和夫社長宅、25日に明治HD浅野茂太郎相談役宅それぞれ訪問し要請書をポストに投函してきました。
 松尾正彦社長への要請書の一部を紹介

 要 請 書

 経営体制が刷新された今年度こそ労働争議終結への絶好の機会
年度内に予測される中労委命令を機に松尾社長の英断で清算すべきです

中略
 これまでも述べていますが、私たちが自主解決を求めている理由は三点です。
一つは、労働争議を抱えていることの経営上のリスクであり、食の「安全・安心」を願う消費者の信頼に応えるためにも避けられない課題です。二つは、明治乳業事件は、自主解決をした多くの大企業争議と同じ、典型的な「不当労働行為・差別事件」だということです。三つは、話し合い解決が実現しない限り労働争議は果てしなく続くという現実です。まさに、松尾社長の賢明な判断が求められている局面なのです。
明治グループの企業体質の象徴となっている労働争議の解決に向け、来春の早い時期に道筋が拓かれることを強く求め、2016年最後の要請といたします。

以上

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