7月活動レポート
(8月22日)

 明治HD第7回株主総会後、争議当事者浅野茂太郎「相談役」・松尾正彦社長に対し、自主解決求め定例宣伝、社前「座り込み」を精力的に継続して取り組んできました。

1,新3点セット宣伝行動  関東支社前〜明治HD社前〜みずほ銀行本店前 7月12日
明治よ、中労委結審のいまこそ争議全面解決を決断せよ!
 明治乳業による差別の是正を求める「全国事件」と先行した「市川工場事件」の64名が長期に闘っているこの事件の原点は、1960年代後半から会社が「企業間競争の激化」などを理由に大量の人減らし「合理化」を強行したこと。
 申立人らは全国の主要工場で「食の安全を守るのが食品労働者の使命」「働く者の暮らしや権利を守ってこそ労働組合」のスローガンのもと、健康破壊や人権否定の大「合理化」に抗して旺盛な労働組合活動を展開していました。
 会社はこの活動を敵視し全国の主要工場に「インフォーマル組織」を結成。労働者を「赤組」「白組」「雑草組」などと分断し、徹底して昇格・昇給や仕事などで差別したのです。さらには労働組合を変質させて2000名の人減らし、生産効率5倍化ともいわれるリストラを実施したこと。その後、現在に至るも人権無視の労働者管理は続いてきました。
典型的な不当労働行為です
 その手口は、中労委の審査の中で徹底してバクロされましたが、まさに典型的な「不当労働行為」であることが浮き彫りになりました。
 会社・明治は、この事実を真摯に自認し中労委結審の局面で、命令を待つまでもなく自らの判断で長期労働争議解決を決断することを訴えてきました。



2,株式会社 明治 坂戸工場宣伝 12時〜13時 7月19日
 明治HD第7回株主総会において、明治乳業出身の浅野茂太郎代表取締役会長が「相談役」に退任されたことで、明治製菓出身の松尾正彦社長が3期目に事実上の明治グループのトップになったこと。そして今年は、100周年の記念の年を迎えたこと、世界に飛躍するためには、旧明治乳業が抱えてきた「負の遺産」を精算しないまま放置は許されないことではないでしょうか。皆さん方の将来を安定したものにしていくためにも、この争議を解決していかねばなりません。是非ともご理解をお願いしますと構内に向けて訴えてきました。



3,月定例、中労委前「中労委係争」争議組合・争議団共同宣伝行動実施 7月20日

 共同団体=明治乳業争議団、全労連・全国一般昭和ゴム労組、公務公共一般労組、
 東京私教連・鶴川高校教組、茨城私教連日大土浦教組、建交労京王新労組

●明治の苦情処理制度は「差別固定の具」、都労委の「制度活用」絶対視は不当な判断
合理性も公正さの担保もない制度を明らかにした
以下のチラシで報告、訴えました。
 明治乳業事件、都労委命令での「苦情処理制度」に関する事実認定では、申立人らは同制度を利用する機会があったのに利用しなかったことは、継続する行為に足りる抗議を行ったとは認められないと、苦情処理の利用を「継続する行為」の判断要件として絶対視。また、この制度は一応の合理性を備え、公正さを担保する仕組みとして機能しているなどと会社主張をそのまま認めて判断しました。
 しかし、この制度を形式的な建て前論だけで見た都労委には、苦情処理委員会の実態が恣意的運用の余地を覆い隠し、差別を正当化する役割をはたしていることを洞察する力に欠けているといわざるを得ません。

●申立本人の意見・弁解の機会は一切なし
 同制度の規則には「必要と認めるときは申立人及び参考人よりその意見を聞くことが出来る」とあるが、本人が主張や反論など意見を述べる機会は一切設定されません。逆に会社に都合の良い者を参考人として出席させて「評価の正当性」をのべさせ、申立てを棄却してしまうという不公平な運用がまかりとおる制度だったことを明らかにしたと報告。

●委員会は申立人らを敵視するメンバーで構成
 同委員会は労使同数の若干名で構成されます。会社側の委員は工場長はじめ課長・係長など、苦情とされた人事考課の評定者ばかりであり「自ら査定したことへの苦情を、自ら処理する」という公正さを欠いたもので、第3者が審査するものではないのです。

●労使協議のなか苦情救済は皆無
 さらに組合側からは、会社が育成したインフォーマル組織で先頭に立ち、日常的に申立人らの行動を監視「あら捜し・作業ミス」を偽造し差別を誘発する役目をになう職制組合幹部が構成員なのです。
この様な委員会なので、本社集約の申立て数「152事例のなかで救済は一つも無かった」

●当初活用するも その後は無意味と判断
 この様に、公平な運用を担保する制度とは無縁な委員会であり、苦情を正しく判断・処理する機能を果たしてはいないのです。
 申立人らは、差別の多発した当初は同制度を活用しましたが「差別を固定化する隠れミノ」であることを知ってからは、協議の結果、無意味なものとして活用しませんでした。



4,明治HD社前 第8次座り込み行動2日間実施 11時〜13時
@7月20日 22団体 43名参加
・座り込み行動冒頭あいさつ小関団長
 6月29日開催された、明治HD第7回株主総会に提出していた事前質問書への回答内容に触れ、争議を解決する問題と放射能汚染による食の安全を提供する問題への解答は、昨年の総会での回答と何ら変わっていない点、経営統合による相乗効果が上がっていない原因を求めたのに対しては、一切回答がなされなかったことを報告。
 浅野茂太郎代表取締役会長が退任されたことから、松尾正彦社長が事実上のトップ経営者になったこととあわせ、今年は記念すべき100周年の年を迎え、更に、世界に飛躍する経営を臨むには、いまこそ、経営者の判断でこの長期争議を解決することが一番求められている局面ではないでしょうか。その意味での座り込みを継続していることを強調しました。
・連帯挨拶された方々を紹介
 国公労連:宮垣さん、日東整争議:佐藤さん、食品一般ユニオン:唐笠さん、JAL:福永さん、東京争議団サポーター:寺島さん、全労連:岩橋さん等皆さんから、明治は、労働委員会や司法の判断に寄りかかっているだけでなく、労使における争いは、話し合いでの解決が基本ですとそれぞれが経験していることなどを交えて訴えられ、座り込み行動の主旨に立った要請がされました。
・座り込み行動まとめ:松本議長
 浅野茂太郎相談役、あなたはこの6月に会長を退任されました。すでに、あなたと同年配の争議団員の12名が、ならず者のレッテルを貼られ、人眼扱いされないまま無念にも他界しています。見てくださいこの仲間たちの遺影を、無言であなたに訴えています。
また、後継者にトラブルのリスクを残さないため、争議解決の腹をくくり、企業の社会的責任を果たしてくだされるよう強く求めまました。
・争議団決意:米元事務局次長  
 争議団は、一月から連続して座り込みで争議解決への意思表示をしています。中労委の審査の中で、都労委命令の過ちを一つ一つ明らかにしてきました。その内容からしても中労委の判断を待つまでもなくこの争議を解決させるのは浅野相談役あなたなのです。その決断をとるまで、争議団は、ここに参加されて来ています多くの方々のご支援を力にたたかいつづける決意ですと表明しました。
・シュプレ
  ●浅野相談役は、争議解決に責任果たせ!
  ●浅野相談役は、争議解決を行え!
  ●浅野相談役の不当労働行為のやり得は許さないぞ!
  ●浅野相談役は、争議解決の話し合いに応じろ!
  ●松尾社長は争議解決の話し合いに応じろ!
  ●明治の組合支配介入は許さないぞ!
  ●明治は33件におよぶ不祥事・不正行為を正せ!
  ●食の安全・安心を消費者に保障せよ!
  ●我々は争議解決に向け最後までたたかうぞ!
   団結ガンバロウ三唱
    明治HD社前行動に参加された皆さんの心意気と団結の力で、
    明治乳業争議と全ての労働争議の全面解決めざし、
    団結してたたかうぞ! たたかうぞ! たたかうぞ!


A7月21日行動 12団体 29名参加
 座り込み2日目は、雨天の朝を迎え多くの団体から問い合わせがありました。対応仕切れない方々が雨の中12団体 29名も参加していただき感謝の気持ちでいっぱいです。
・雨の中駆けつけていただいた方々に感謝とお礼を、団長小関から第8次にわたって行ってきている「座り込み」の意義を参加者と共有し、浅野茂太郎「相談役」と松尾正彦社長に対し、長期にわたるこの争議を自らの判断において「解決」すべき局面にあることを、改めて、訴えました。
・差別をなくし人権を回復させるために、支援共闘会議を組織したたかってきている松本議長から、直ちに争議を解決させなさい。その日が来るまでたたかいぬくことを宣言しました。

5,明治HD役員宅へ争議自主解決求め訪問
@7月18日 浅野茂太郎「相談役」宅へ
 明乳争議支援千葉県共闘会議と争議団で、取締役会長職を「退任」する前に、争議の当事者である立場から解決することを求めてきました。しかしその兆しの見えないことから、株主総会後18日午前中に訪問してきました。インターフォンに出られた女性の声では、相談役も奥様も留守とのことでした。要請書とチラシをポストに投函し、近隣の皆さん方のポストにもチラシを入れてきました。
A7月23日 松尾正彦社長宅へ
 神奈川労連(明乳争議支援共闘会議)と争議団で、今後、応対していただけるのであれば「チラシ」等での訴えは自粛しますと約束し、事前にお伺いする旨の通知を差し上げることで、2回程奥様が社長に代わってお話しをきいていただき、資料なども受け取っていただいてきました。
しかしこの日は、奥様の車(以前乗って出かけられた)も別な車も車庫にありましたが、チャイムに応じる様子がなく、なんとなく息を殺してじっとしている様子であるように感じ取れました。要請書の片隅にご連絡をお待ちしますと書き込み帰ってきました。
 さて、8月に今一度お伺いして同じようでしたら、約束を反故にされましたので考えを新たにせざるを得ないかな・・・と。

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