12.4全労連・東京地評争議支援総行動
明治ホールディングス株式会社へ争議解決を求め抗議・要請を展開
(12月4日)


主催者挨拶
全労連事務局長 小田川義和さん

 明治乳業争議の早期解決を、と明治ホールディンクス前にお集まりいただいた皆さん、大変ご苦労さまです。
 12.4争議支援総行動を主催しています東京地評、全労連を代表し、私、全労連の小田川から一言、この場でのご挨拶を申し上げます。
 さて、長きに渡る明治乳業争議は、ご案内のように、東京都労働委員会での不当な「却下、棄却」の命令をはねかえす中央労働委員会での審理に、たたかいの場が移っています。
 東京都労働委員会命令の不当性は、後ほど詳しく述べられると思いますが、その本質は、たたかう労働組合を忌避し、労働組合つぶしのために、第二組合を結成し、賃金をはじめとするあらゆる職場差別を行ったという、典型的な不当労働行為を全面的に認めなかった点にあると思います。
 1960年代から70年代にかけて、大手企業や公務の職場で、いわゆるマル生と言われるたたかう労働組合つぶしの嵐が吹き荒れました。
 その手法は、大方が類似しています。会社、当局がインフォーマル組織や第二組合を立ち上げ、職場の民主化と労働条件改善を求めてたたかう労働組合の変質解体を狙い、それが思うようにいかなかった時には、賃金、昇格差別、職場八分などの人権侵害を繰り返し、第一組合の活動家を徹底して差別し、孤立させる、そんな手法が取られました。例えば、東京電力で、例えば石川島播磨で、例えば今の財務省、元の大蔵省で、同じような時期に、同じような労働組合攻撃がおきています。
 そして、東京電力や全税関事件では、長い時間はかかりましたが、企業、当局の不当労働行為が認定される結果となっています。
 このような司法判断の流れに従えば、明治乳業での差別事件も、個別問題ではなく、労働組合の団結権を侵害する目的で明治乳業が行った不当労働行為と認定されて当然だと思います。残念ながら、東京都労委では、正義と真実の女神は目隠しをされたまま、公正命令を求める労働者の声に耳をふさいだ命令となってしまいました。
 あらためて参集の皆さんの引き続く明乳争議団へのご支援をお願いするとともに、明治と名前が変わり明治ホールディンクスの子会社になったとしても、明治乳業の侵した罪の贖罪の責任は消えない、そのことを明治が再確認し、争議解決に真剣に向き合うよう、強く、強く要請します。
 ところで、今、国会では特定秘密保護法案をめぐる状況が緊迫しています。この法案は、行政機関が保有する様々な情報を秘匿する、隠すことが第一の目的の法律です。
軍事、治安、スパイ活動、テロの4つの分野に関係すると情報を持っている側の国の行政機関が認めれば、特定秘密に指定され、その特定秘密を漏らした公務員はもとより、情報を知ろうとした民間人も処罰の対象になる、国会議員さえも処罰できる、そんな危険な法律です。
 明乳争議団のブログを拝見しますと、明治と防衛医科大学との間の粉ミルクをめぐる談合疑惑が載っていますが、仮に、防衛省がどこから粉ミルクを購入するのかは軍事秘密、とされれば、このブログは特定秘密を暴露したことになると言う法律の仕組みです。
 加えて、先日の石破自民党幹事長のように、大きな音を出して、例えば、ここで私がお話ししているような大きさの声で、繰り返し、自らの主張を繰り返す行為はテロと変わらない、というようなとんでもない主張が、特定秘密保護法と一緒になれば、今申し上げたような談合疑惑を述べた私は、テロ行為を目的にした特定秘密の暴露、もしくは特定秘密を漏えいするよう強要したとして罪に問われることになりかねません。
 知る権利だけでなく、表現する自由まで侵すのが特定秘密法案です。
 絶対に阻止しなければなりません。今日、明日、明後日のたたかいが重要です。国会前の行動に、短時間でもお寄りいただき、反対の輪に加わっていただくことをお願いします。
争議の解決は民主主義実現のたたかいでもあることは皆さん良くご存じです。その民主主義の根幹を壊す特定秘密保護法反対のたたかいとも一体で今日の行動成功に奮闘いただくことを呼びかけて、この場の主催者挨拶とします。

 


連帯挨拶
明治乳業争議支援共闘会議議長 松本 悟さん(千葉労連議長)

 お集まりの皆さんお疲れさまです。浅野茂太郎社長、聞いてください。私がここへきたのはこのように玄関に警備員を配置するのではなくて、労使紛争は話し合いで解決しようではないか、その呼びかけに参りました。
 みなさん、明治HDと云う会社はどうゆう会社なのか。スーパーブラック会社です。理由は3つです。
 ひとつは、明治の社員7名が工場で事故死している。2010年には、21歳の臨時社員の山中保奈美さんが本来、二人一組でやる危険な清掃作業を一人でやらされ、機械に押しつぶされて亡くなった。これは殺されたのと同じです。また争議団64名中11名が60歳代の若さでイジメによるストレスで亡くなっている。
 2つ目は、明治は、食の不祥事を2000年の雪印食中毒事件以降26件も繰り返している。
 そして3つ目は、労働争議、賃金差別などの労働争議が10件、今も3件が係争中、こんな大企業は明治HDだけです。
 なぜこの争議が勝てないのか、それは、利害関係者、すなわちブラック企業の共犯者がいるからです。市川事件で負けたのは、都労委の高田章公益委員(明治学院大学の労働法の教授)が中山元社長と親しい関係にあり密談・密会を重ねて不当命令を下しました。
 そして明治乳業争議全国事件は、都労委の荒木尚志会長(東大教授)が超不当命令を出しました。荒木会長と中山悠社長は、福岡の修猷館高等学校の同窓、しかも明治は、東大に約5億円の寄付を出している、そういう関係で不当命令を出しました。すなわち、利害関係者による不当命令、これは法違反です。
 また、明治HDは、中労委にまで佐貫葉子(弁護士)という社外取締役を使用者委員ではなく、公益委員として送りこんでいました。私たちの抗議で一期で退任しましたが、明治HDという会社はこういう会社です。
  なぜ明治は、食の不祥事・事故死・労働争議を繰り返すのか、それはこの会社が超隠ぺい体質、社会に対し閉鎖体質だからです。たとえば、明治の粉ミルクにセシウムが入っていました。2011年3月11日以降のことです。その時、明治HDがとった態度は、全社員に対して秘密保持誓約書を強要し、口封じを行い、しかも退職後も口封じを強要しました。いまの秘密保護法と同じです。これを秘密保護法に先駆けてやったのが明治HDです。

 明治HDは、乳製品に入っているセシウムなどを一切情報開示しません。子どもたちが内部被ばくを受け、福島の子どもたち26人が甲状腺癌になっている。その一つの要因が明治などの大企業がセシウムなど情報開示しないで隠ぺいしている。そのことが影響していることを明治HDは肝に銘じるべきです。
 いま、明治は生き残るためにR-1ヨーグルトがインフルエンザに効くという薬事法違反の宣伝をしています。消費者が消費者庁に告発をしている。こういうでたらめを平気でやっている会社が明治HDです。
 明治乳業と明治製菓は、09年に統合しましたが、売上高は統合前の水準で低迷し疲弊しています。明治HDが食品産業として生き残っていくためには、社員を大事にする、消費者の人権を守ることが必要です。浅野茂太郎社長、中山悠相談役、いつまで争議を引き伸ばすのですか。話合いで解決しようではありませんか。私たちは、この争議が解決するまで闘うということを申し上げ連帯の挨拶にさせていただきます。共にがんばりましょう、ありがとうございました。

 


連帯挨拶
全農協労連中央書記長 国分 博文さん

 明治乳業と明治ホールディングスは、長年にわたって差別に苦しめられている労働者のこえに、耳を傾けるべきです。そして、争議解決への話し合いに応じるべきです。
 農協の職場でも、労使関係ら労使対立は当然ありますが、経営者が、農家組合員はもとより、労働者の話しを聞かないなどということはありません。また、もしもあれば、そういうことを許すようなことはしません。
 企業が、閉ざされたような企業体質では、労働者が安心して働くことはできません。
 明治乳業において、労災事故が後を絶たないと同時に、何人もの死亡事故までおこる大きな要因は、閉ざされた企業体質に根っこがあるのではないでしょうか。
 閉ざされた企業体質は、不祥事の温床にもなっているのではないでしょうか。
明治乳業は、この間、入製品の不正な製造・法令違反・賞味期限切れ製品販売・大腸菌汚染問題などの隠ぺいを図るなど、農家や消費者の信頼を裏切って、次々と食の安全や安心を踏みにじるような不祥事件を引き起こしています。
なぜ大もうけを上げる明治乳業で不祥事が繰り返させるのでしょうか。その理由ははっきりしています。
 労働者の人権を守らない乳業メーカーは、残念ながら消費者の人権も守ることはできないのです。もうけ優先の明治乳業の体質は、同じように不祥事件をおこす体質と表裏一体です。みなさん、連続して発生している製品事故などの不祥事をなくし、農家や消費者の信頼を回復することは、企業の社会的責任からいっても当然ではないでしょうか。
 争議解決のために、明治ホールディングスは、一刻も早く動くべきです。それは、農家や消費者の信頼を取り戻すためにも、必要なことです。そのことを強く私からも会社に対して要請します。

 


連帯挨拶
JMIU日本アイビーエム支部書記長 杉野憲作さん

 日本IBM書記長の私が今日この日、30年間で初めて明乳争議団の連帯の挨拶をさせていただきます。しかし、これは決して偶然ではありません。
 今、三大争議と言われている、明乳争議、JAL争議、社保庁争議。どれも共通していることがあります。それは、どの会社もIBMの大ユーザーであるということです。
 さて、ここで、ある事件のことをお話ししなければなりません。
 日本IBMの元社長が女性のスカートの中を撮影して逮捕された事件がありました。警察が取り調べでびっくりしたそうです。
 その元社長が名刺を差し出したのですが、その名刺が次から次へと何枚も出てきたのです。その元社長は何社ものIBM大ユーザーの社外取締役をやっていたというのです。
この元社長は雑誌のインタビューに答えて、「IBMはリストラの毒味役をはたす」「IBMでうまく行ったら採用すればいい」ということを言っていました。
 つまり、IBMは合理化のためのコンピュータを売っているのですが、機械のみならず、リストラの手法までも売っていることが、これで明らかになったわけです。
 IBMの大ユーザーである明乳で大きな争議が起こっているのはまさに偶然ではないと言えるのではないでしょうか。
 世界的なブラック企業であるIBMと明乳が同質の企業になってしまったということは大変に残念なことです。
 我々は日本IBMに働く者の労働組合として、ある意味、日本IBMに鍛えられてきました。この強い労働組合の力をもって、今後は、明乳争議団と手をとりあって、共にたたかうことを誓って、連帯の挨拶とさせていただきます。共にがんばりましょう。


IBMの皆さん

 


争議団決意表明
9事業所64名団長 小関 守

 総行動に参加の皆さんご苦労さまです。明治乳業争議団の小関といいます。
  7月9日に私ども全国事件に東京都地方労働委員会が発した命令は、本当に異常なものです。時間の関係で中身には踏み込めませんが、一言で言いますと、多くの労働者、労働組合の闘い、そして、労働委員会自身の努力や工夫によって確立してきた救済のための判断構造、これを根底から崩壊させるこうゆう内容であります。
 およそこの判断手法では、不当労働行為事件の救済はあり得ない内容なのであり、まさに、労働委員会の自殺行為と言わざるを得ない内容であります。
 私たちはこの間、この不当命令に対する断固とした抗議を様々な角度から展開しながら、同時に、この異常な命令の全面的な見直しを求める中労委での闘いを改めて開始する、その決意を先ず皆さんに報告するところであります。
 さて皆さん、同時にあの不当命令によっても、この明治HD、そして株式会社明治が行ってきた不当労働行為の体質は絶対に免罪されないのであり、まさに、明治乳業争議は典型的な不当労働行為事件なのです。
 だからこそ、先行して争った市川工場事件に対する東京高裁の事実認定においても、結論は控訴棄却でしたが事実認定の中では、申立人らの労働組合活動上での集団性これを明確に認めました。そして、集団間には無視できない「有意な格差」があるこのことも明確に認定したのであります。そして、不当労働行為事件のもっとも大事な、その格差の原因は何かと言うことに踏み込んで、明治乳業が長年行ってきた不当労働行為の事実を引用しながら、その背景についても判示したのであります。
 これらの司法判断を見るならば、明治HDも、そして株式会社明治も、この上さらに労働委員会の不当命令に安住して、異常な労使紛争を続ける大義も道義もないということなのであります。私たちは、いま二つの角度から運動を強めています。
 言うまでもなく、行政機関である労働委員会の異常な判断を、徹底的に見直す闘いに全力を傾けることが第一であります。
もう一つは、もうすでに司法判断で確定している明治乳業時代からの不当労働行為と差別、この司法での事実認定にもとづいて、明治グループは直ちに長期争議の解決を決断すべきだ、この運動を大きく首都圏は勿論のこと全国的にも展開する決意であります。
 皆さん、実はこの間、食材をめぐる不祥事がマスコミで報道され社会問題になっております。私は問題を通じて思うのは、法の規制を強めるとか様々なことが言われていますが、もっとも大事なのは食を提供する企業のモラルを回復することではないでしょうか。
 そうゆう意味でも私たちは、この明治グループの健全な企業活動のためにも争議の解決は避けて通れないのであり、このことを掲げて運動を展開していくその決意を改めてこの場所で表明し、当該を代表としてのお礼の挨拶といたします。ありがとうございました。


明治HDに参加の皆さん


警備員でガードを固める異常な対応

要請書

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