明治ホールディングス社前に、長期争議解決の決断迫る207名の怒りが結集!
全労連・東京地評争議支援総行動が終日実施
(11月27日)

 12年最後の大きな行動として、28年におよぶ(旧)明治乳業の労働者イジメ・労働組合介入への不当労働行為を働いてきた明治乳業出身の浅野社長が、今年の株主総会で、親会社・明治ホールディングスの社長に栄転した。
 浅野社長の時代の中で、労働争議の当事者である浅野社長は、東京高裁から長期にわたる解決の最後のチャンスとして、強い「和解勧告」がありましたが、司法の判断・見解をも蹴散らし「拒否」しました。
 またこれまで、明治製菓と経営統合の節目、事業再編を行うそれぞれの新しい企業体制に踏み切る時点において、労働争議の清算を図るべき情勢にあったにも関わらず、労働者の権利を踏みにじったまま、旧態依然とした古い労務政策から脱しきれないでいます。
 特に、明治グループが掲げる「明治」ブランドを世界のうたい文句で、1兆5千億の売り上げ、5百億円の利益を掲げているが、食品産業から見ても同業他社と比較しても利益・収益率は低迷し続けている。
 根本的問題は、浅野社長の経営能力にあると考えます。その@は、自らの労働争議を解決できない。そのAは、不祥事が止むことなく絶えない。そのBは、消費者やメディアからの質問や問い合わせに一切応えない姿勢。これらが、社内の閉塞感を強くし消費社会にも見放されつつあることを、浅野社長は感じ取るべきでありますが、できないでしょうね。
 それらの明治を取り巻く状況の中で、長期争議の解決を!不祥事などに真面に応えよ!
官製談合を企業ぐるみで行ってきた社長自ら責任をとれ!など等の要求を掲げ明治HD社前行動を展開しました。
 以下主催者挨拶、連帯挨拶、争議団からの決意などを紹介します。


【挨拶記事紹介】

1.主催者挨拶 松本秀典:東京地評副議長
 明治乳業争議団でたたかう仲間のみなさん、ご苦労様です。また、支援にお集まりのみなさん、ご苦労様です。みなさんのたたかいが、働く仲間全体を大きく励ましていることに、改めて敬意を表するものであります。
 昨年、私たちは明治ホールディングスに対して、「健康と命」に直接かかわる食品企業として、乳業界のトップ企業として、率先して、放射線濃度を測定し、その検査結果と使用乳の産地の公表を、要請しました。ところが全く耳を貸さなかった、その結果が、明治粉ミルクの放射能汚染発生となりました。未だに原因の真相を明らかにしていません。その上、この夏、防衛医大の入札では、会社と業界ぐるみの長年にわたる談合が明らかになり、また、子会社が製造した「明治ミルクプリン」に細菌が混入して製品23万個も回収するという事態も、連続して発生しています。
 「食の安全、安心を守ってこそ食品企業」です。「儲かりさえすれば、何でもあり」という企業体質を改めることを要請いたします。
 また、一刻も早く賃金差別を是正し、長期の争議を解決するよう、要請するものであります。
企業の社会的責任を明示している明治グループの企業行動憲章によりますと、「役員および従業員は、諸法令などを遵守し、高い倫理観のもと、公正かつ誠実に行動する、従業員の多様性や人格・個性を尊重する」としています。そのような御社の方針に基づいて、「労働条件の向上」「不当な賃金差別の是正」を求めているのが、明治乳業争議団であります。豊かな暮らしを求めるのは当たり前のことであり、一人一人の社員の多様性を尊重していただきたい、そういう訴えをしているだけであります。会社のCSR行動憲章そのままに、行動しているだけであります。会社の大方針通りの運営をやっていただきたい。しかも、そういう当たり前のことを主張する社員に対して、人権を否定する弾圧を繰り返し、賃金も差別するというような、異常な労働者管理は、社員の多様性を尊重しているとは、到底いえません。一人一人の活力を活かしているとはとてもいえません。直ちにやめていただきたい。
 不祥事続発と争議団の弾圧には、たたかう労働組合がないこと、チェック機能がないことが共通した要因です。労働組合として闘わなければ、働く者の生活や権利を勝ち取ることはできません。労働組合には、会社を組合としてチェックすることで、会社の健全性を担保するという機能があります。今の明治ホールディングスの労働組合にはその機能は全くありません。争議団こそが、その機能を果たしています。
 争議も28年目にもなっています。労働者あっての会社であります。一刻も早く賃金差別を是正し、長期の争議を解決するよう、要請するものであります。
 なお、最後になりますが、今、東京都知事選と衆議院選挙がたたかわれています。このような大企業の横暴を許す政治を続けるのか、東京都民にやさしい、国民にやさしい政治に変えるのか、が、選挙の最大の争点であります。民主にがっかり、自民もこりごり、第3極と呼ばれる政党は、この2党に限りなく近い政党です。これらの政党では政治を根本的に変えることはできません。政治を根本的に変える勢力を前進させ、大企業の横暴を抑えていきましょう。そういう政治を実現しましょう。
 以上の訴えをもちまして、東京地評を代表しての、主催者としてのご挨拶とさせていただきます。たたかえば必ず展望が開けます。明治乳業争議団のたたかう仲間のみなさん、ご支援のみなさん、ともにがんばりましょう。

2.連帯挨拶 松本悟:千葉労連議長(明治乳業争議支援共闘会議議長)
 明治ホールディングス社前にお集まりのみなさん、明治乳業争議支援ありがとうございます。また、ご近所のみなさん、おさわがせをしますが、しばらくご静聴のほどよろしくお願いします。
 さて、本日の社前行動の目的は2つです。
 ひとつは、働くものの人権を守るため、28年目に入った明治乳業争議を話し合いで解決させること、その決断を浅野茂太郎社長に求めにまいりました。もう一つは、赤ちゃんや子どもたちの命を守るため、乳製品の放射性物質の検査結果の開示を求めにまいりました。
 さて、この明治乳業争議の本質は何なのか。
 明治乳業が、まともな労働組合を乗っ取り・潰した不当労働行為事件です。そして、労組を潰した後は、「赤組」に対して徹底的に賃金差別を断行しました。私たちは賃金昇格差別是正を求めてたたかっています。
 それではなぜ、明治乳業争議だけが解決しないのか。
 明治乳業はまともな労組を乗っ取るため、インフォーマル組織をつくり、明治乳業市川工場支部長選挙で現在の明治乳業争議団長・小関守さんの対立候補として、浅野茂太郎氏を擁立し、労働組合乗っ取りに成功しました。労働組合乗っ取りの不当労働行為の加害者が浅野茂太郎社長だから、解決が決断できないのです。
 それでは長期争議が解決できない明治ホールディングスで何がおきているのか。
 ひとつは、社員の人権が尊重されず、工場内事故死が7件も発生しています。もう一つは、2000年の雪印食中毒事件以降、その教訓を生かさず25件も食の不祥事をくり返しています。
その食の不祥事の中でも史上最大の食の不祥事が乳製品の放射性物質による内部被爆問題です。明治粉ミルクセシウム汚染事件、明治学校給食用牛乳セシウム汚染事件、いずれも重大な不祥事ですが、明治HDは未だに原因を隠ぺいしています。私たちは、赤ちゃんと子どもたちの命を守るため、乳製品の検査結果の開示を求めていますが、明治HDは開示を拒否しています。
 その結果、明治HDの経営はどうなっているのか。
 20009年に明治乳業と明治製菓が統合しました。しかし、統合による相乗効果は未だに発揮されていません。株価低迷、業績低迷で明治HDは疲弊しています。
 明治ホールディングスの浅野茂太郎社長にもの申します。
 明治乳業争議団員64人中、11人がすでに60歳代の若さで他界しています。いつまで労働者をいじめ、人権侵害をつづければ気が済むのか、一兆円企業として恥ずかしくないのか。私たちは、この争議が解決するまで、最後までたたかうことを浅野茂太郎社長に宣言します。
 みなさん、市場原理主義の結果、一方の極に富、一方の極に貧困、すなわち1%と99%の格差社会になり、内需も外需もマイナスの日本になりました。この閉塞を打開するカギは、働くものの賃金を引上げ、内需を拡大することです。そのため、今度の総選挙で私たちの要求を支持する政党を大きくすることを訴えまして、私の連帯のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

3.連帯挨拶 榎本よう子:全日本婦人団体連合会事務局長
 東日本大震災、福島原発事故から1年8カ月。私たち女性・母親は、子どもたちを放射能から守りたい、原発ゼロの社会を実現したいと切実に願っています。ですから明後日からたたかわれる東京都知事選挙で「原発ゼロ」の公約を掲げている前日弁連会長の支持アピールを今日発表してきました。
 さて、昨年、(株)明治の学校給食用牛乳や、乳児用粉ミルクからセシウムが検出されましたが、(株)明治は「基準値以下」を理由に「安全性」を強調し、汚染原因の解明や独自検査の数値公表などの一切を拒否しています。婦団連は、明治乳業争議団の省庁要請や銀座デモに参加してきました。また婦団連独自に日本乳業協会やまた明治ホールディングスに対し、話し合いを求めてきました。「セシウムが検出されたその原因を明らかにしてほしい」「この製品はどの安全なのかと不安。製品ごとに数値を公表してほしい」、「放射能による低線量内部被曝をなくすために最大限の努力をしてほしい」、これは当り前の願いではないでしょうか。
 ところが日本乳業協会とは話し合いをもてましたが、明治ホールディングスは全然だめ、さすが情報隠しの異常な対応がメディアから批判された明治の親会社、面会も要請文を受け取ることすらも拒否、「必要ならホームページを見てください」という冷たい対応でした。大企業としてその社会的責任をどのように考えているのか、怒りを覚えました。同時に、安全を無視し、利益追求、経済効率で安全を無視し、社内でまっとうな発言をする労働組合の活動を長期にわたって敵視している明治ホールディングスの企業体質についても思い知らされました。
 婦団連が発行している『婦人通信』12月号で明治乳業争議団団長の小関さんが「食の安全・安心のために労働争議の全面解決を」という文のなかで、「働く者の人権を守れない企業には、安全・安心を求める消費者の人権をも守れないというのが結論であり確信でもあります」と書かれています。まさにそのとおりだと実感しました。
 ミルクも牛乳も子どもたちにとっては必需品です。原発事故が収束していないというかつてない事態のもとで、明治ホールディングスは、大企業として社会的責任を果すことが求められます。子どもたちのいのち・健康を守るために、限りなく放射能汚染をゼロにするため、安全・安心な製品をつくってほしいという私たちの願いにこたえること、そのためにも労働者の人権を守り、労働争議の全面解決に踏み出すことを求め、連帯のあいさつと致します。

4.争議団決意 小関守:明治乳業争議団団長
 明治HD前にお集まりの皆さん本当ご苦労様です。最初に当該争議団を代表して心からお礼を申し上げます。
 さてみなさん、わたしたちは今、二つの角度からこの明治HDと株式会社明治に対し、労働争議の全面解決を迫っているところです。その第一は、食の安全・安心を巡って、明治HD、明治乳業の異常な企業体質がメディアの報道も含めて極めて鮮明になっており、放置しておける状況ではなくなっていることです。
 先ほど、榎本さんのご挨拶にもありましたが、明治の学校給食牛乳や乳児用粉ミルクからの放射性セシウム検出は、低線量内部被曝への心配を抱えるお母さん方を始め多くの消費者に衝撃を与えました。
 しかし、明治は、政府が定める基準値以下を理由にして、汚染原因の解明も、自主検査の数値すらも、いまだに公表していない、こうゆう状況にあるわけであります。
 そして皆さんそれだけではありません、この粉ミルクの病院への納品をめぐって、実は談合問題が発覚したことであります。
 談合事件で埼玉県警から事情徴収された明治の社員らは、「重要な引き継ぎ事項として行われていた」と自供しているのであり、まさに、会社の組織ぐるみで長期に行われていた犯罪行為であり、浅野HD社長及び明治の川村社長の責任は重大です。しかし、この事件でも明治だけが謝罪もせず、ダンマリを決め込んでいるのです。
 さて皆さん、明治グループの不祥事・不正行為の絶えない企業体質の背景には、1960年代から働く労働者を赤組、白組、雑草組と、分断して管理することで労働争議が絶えない等、「もの言えば唇寒し」という、そういう強制的な高圧的な職場管理をやってきたそれが背景にあるわけであります。
 私たちは、この様な明治グループの企業体質の是正を求め、そして食の安全・安心を守るために全力で闘っていますが、それは、先ほどのお話にありましたように、「働く労働者の人権を守れないような企業では、食の安全・安心を求める消費者の人権も守れない」、これが私たちの長い間闘ってきた結論であるからです。
 いま、株式会社明治に争議解決の決断を迫っているもう一つの問題は、昨年の11月に東京都労働委員会で全国事件が結審していることです。間もなく命令が交付されるというそういう重要局面にあるわけであります。私たちは、その都労委命令を契機に何としても28年目という長期争議の、全面解決という道筋を必ず切りひらく、そういう決意でいま運動をしているところであります。
 皆さん、私はこの場から改めて明治HDの浅野社長に対して、明治グループが本当に食の安全・安心を担う世界的な企業として飛躍をめざすならば、その前提問題として、異常な労働者管理の象徴であるこの長期争議を解決すべきだ、このことを提起するものであります。
 明治乳業争議団、全国64名の闘いであります。しかし、残念ながら11名もの仲間たちがならず者のレッテルを貼られたまま無念の思いで亡くなっています。その仲間たちの思いを全部背負って私たちは闘っています。額に汗する者が報われるそうゆう社会、職場をと頑張っています。長期の闘いとなっていますが、このままでは人生終えられないその決意で団結を深めて運動を強めています。
 明治乳業争議必ず近いうちに解決への道筋を切りひらきます。
皆さまの最後までのご支援を心からお願いをして、当該争議団を代表としての決意とします。ありがとうございます。

【要請文】
【明治HDにシュプレヒコール】

 


東京地評副議長:松本秀典さん


千葉労連議長:松本悟さん


全日本婦人団体連合会事務局長:榎本よう子さん


支援者の皆さん


支援者の皆さん

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