全国都労委事件、申立人側立証すべて終了
(6月30日)

 去る5月11日の主尋問において大阪工場の申立人15名を代表して証言した伊藤武治証人は、「@組合活動の盛り上がりに危機感を抱いた会社はインフォーマル組織(志宝会)を結成し組合支部役員選挙に介入してきたこと。A組合員を赤組・白組・雑草組に分断管理し、会社の支配介入と闘う申立人らを差別してきたこと。B仕事や賃金昇格差別・人権侵害攻撃の中においても、申立人らは退職するまで労働者の生活と権利を守って闘い続けてきたこと。Cその結果、事業所採用者コースの中位者比較で年間190万円もの格差が生じ、生活保護者並みの賃金実態であったこと。」等について具体的に立証を行いました。
 これらの立証に対し、6月30日の反対尋問期日において会社側代理人は「@申立人らは会社の職分制度を無視して中位者を設定している。A個人の苦情申し立てについては、工場苦情処理委員会での公正な審査によって苦情申立が却下され証人も納得している。」等の尋問を行ってきました。伊藤証人は、@について「申立書の同期同学歴の中位者については組合の賃金実態調査資料から中位者を算出し、事業所採用者コースの中位者については会社が市川事件の高裁で提出した資料を基に中位者を算出しているのであり、会社の制度と組合員の昇格実態に基づいた資料である事。」を明らかにすると同時に、「申立人らが要求している[賃金職分の資料]を会社が提出すれば、より正確な資料に基づいた比較によって格差の実態が更に明確になる。」との的確な反証を行った。
 Aの苦情申し立てに関する尋問では、弾劾証拠なるものを提出して公正な審査や聞き取りがなされ、本人が納得していることを認めさせようとしましたが、弾劾証拠資料そのものの信ぴょう性を申立人側代理人や審査委員から指摘され反尋に窮してしまい傍聴席からの失笑を受けていました。
 反対尋問が上手くいかない焦りから、会社代理人は「トイレで「大」のほうに入っていたら誰かが、今日は野次ってやろうと話していた」とか、「反対尋問しているときに発言を挟むことは証人を休ませることになる。」などと言って、尋常とは思えない審査指揮を委員長に求めていた。更に、「生活保護者並みの低賃金の実態証言」に関する反尋では、証人の給与明細・源泉徴収票(昭和58年)と国税庁の民間給与実態(一年間を通じて勤務した給与所得者3490万人の平均給与・勤続10年)を弾劾証拠として提出して生活保護者よりは良いのではないかと迫ったが、適格性を欠く比較資料を用いての尋問のため証人からはなにも引き出せなかった。結局、伊藤証言の@〜Cについてほとんど触れなかった。


支援傍聴に駆けつけ「セクハラ裁判」を闘う川崎礼姫さん


(故)間宮さんに対して証言した金井弁護士


伊藤証人の主尋問を担当した倉内弁護士


反対尋問を受けた感想を話す伊藤証人


松下年金裁判で闘い常に支援に来てくれる榊さん

Copyright 2006 Meiji Dairies Strikers. All rights resarved.